代理母になった女性の家族(画像は『New York Post 2017年10月25日付「I rented out my womb - and they almost took my own son」(John Chapple)』のスクリーンショット)

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米カリフォルニア州で、1人目を妊娠中に2人目を妊娠するという「過受胎」を経験した女性のニュースが飛び込んできた。女性は代理母で、当初は双子を妊娠したと思われていたのだが…。『New York Post』『ABC News』など複数のメディアが伝えている。

カリフォルニア州ペリス在住のジェシカ・アレンさん(31歳)は男の子2人を出産して6か月後の2015年秋、子供に恵まれないカップルのために代理母になることに決めた。

「母になることは素晴らしいこと。代理母になることで、それが叶わない女性の手助けをしたいと思ったのです。それに3万ドル(約340万円)の報酬が入れば働かずに息子たちのそばにいてあげることもできるし、新しい家の購入資金にも充てられると夢を膨らませていました。」

こうして決意を固めたジェシカさんは、南カリフォルニアの「オメガ・ファミリー・グローバル(Omega Family Global、以下OFG)」に出向き、代理母としての登録を済ませた。そこで紹介されたのは、代理出産が合法化されていない中国の夫婦、リウさん(仮名)だった。

様々な手続きを経た2016年4月、ジェシカさんにリウさん夫妻の受精卵が移植されたが、6週間後の超音波検査でジェシカさんは医師から意外な言葉を聞くことになる。

「双子ですね。非常に珍しいケースですが移植した胚が分裂したということでしょう。つまり一卵性双生児ということになります。」

驚いたジェシカさんだったが妊娠は順調で、妊娠38週だった2016年12月12日、帝王切開によりマイク君とマックス君を出産した。OFGとの契約により面会時間は1時間と制限されており、一緒に過ごす時間を持てないまま男児2人はリウさん夫妻に引き渡された。しかし出産後、ジェシカさんはリウさん夫妻から携帯電話に送られてきた双子の写真を見て驚いた。

「マイクは明らかにアジア系。マックスは混血で肌の色が違いました。これは一卵性双生児ではないと思ったのです。」

ジェシカさんの直感は、外見が著しく違う双子に疑問を持ったリウさん夫妻がDNA鑑定を依頼したことで現実のものとなった。今年1月、マックス君はジェシカさんと夫であるワーデル・ジャスパーさん(34歳)の実の子であることが判明したのだ。

ジェシカさんは「言葉が出ませんでした。こんなことってありえるのかしらって…。コンドームを使用していたから、自分の子を妊娠していたなんて思いもしませんでした」と語っている。

妊娠中にもかかわらず排卵が生じ、2人目を妊娠する今回のようなケースは「過受胎(superfetation)」と呼ばれ、11例ほどしか報告されていない。ジェシカさんの場合、リウさん夫妻の子を妊娠した直後に実の子を妊娠したことになるという。

しかし、ジェシカさんにとっての悪夢はここから始まった。双子の妊娠が判明した直後に報酬は当初の3万ドルから5千ドルほど上乗せされたにもかかわらず、血の繋がりがないと知った途端にリウさん夫妻はマックス君の養育を拒否し、逆に1万8千〜2万ドルの賠償金を求めてきたのだ。さらにマックス君を引き取りたいと申し出たジェシカさんに対し、リウさん夫妻とOFGはマックス君と他の親との養子縁組を模索し始めた。

「血を分けた自分の息子がまるで商品のように売買されるのでは…」と危機感を覚えたジェシカさんは、3千ドルで弁護士を雇ってOFGと話し合いを続け今年2月、ついに息子を養育する権利を獲得した。

マラキ君(Malachi)と名付けられた3人目の息子は現在10か月になり、片言の言葉を話すようになった。ジェシカさんは「妊娠中に医師やOFGから胎嚢が2つあるという説明を受けたことはありませんでした。マラキがいてくれて幸せを感じるし、代理母になったことは後悔していません。しかしこれから代理母になりたいと考えている女性には、私のようなケースがあるということを知って欲しいと思います」と述べている。なお、リウさん夫妻から求められていた賠償金に関してはOFGが何らかの形で負担することになるという。

「双子なのに似ていない」というケースは2016年、ベトナムでも報告されていた。こちらはDNA鑑定で父親が違うことが判明し、家庭内に問題があったことが発覚している。

画像は『New York Post 2017年10月25日付「I rented out my womb - and they almost took my own son」(John Chapple)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)