新人に「そろそろ自分で考えて行動してほしい」と思っていても、現場に出るとついイライラして指示ばかりしてしまう、もしくは反対に「丸投げ」してしまう…。それでは人材は育ちませんよね。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では著者で若手飲食店コンサルタントとして活躍中の中西敏弘さんが、相手がきちんと自分で考えて行動するようになる「教育法」をレクチャーしています。

「教え方」を「教える」を皆で共有することの大切さ

「自分で考えて行動して欲しい!」とは、誰もが思う事。社長さんもそう思っているし、店長もそう思っている(はず、笑)。その方が、お客様も喜んでいただけるし、会社としても店としてもスムーズに仕事が進むので、社員やアルバイトにそうなることを望んでいますよね?

しかし…、実際の仕事の現場では、「指示」してしまっていることが多くて、相手に「考えて仕事をする」ということを実践できている人は意外に少ない。ついつい、「あれやっておいて」って指示している人は多いようです。

さて、なぜ、こうなるかと言えば、「相手に考えてもらう教え方」を知らないことが一番の原因。「考えて仕事をさせる」というと、「仕事をすべて任せてやらせる」ことが「相手に考えさせる」と思っている人がいるが、これは大きな間違い! これは「考えさせている」のではなく、単なる「丸投げ」にしか過ぎない。

もちろん、相手によってはすべてを「任せて」やらせる仕事のやらせ方もありますが、これは相手がそれ相応のスキル、経験があってこその事。相手に与える仕事をやるスキル、経験がないのに、「すべてを丸投げ」しても相手には、ただただ負担になるだけで、相手の成長にも何も繋がらないし、相手をただ困らせるだけ。

「相手に考えさせる」とは、上司の側が与える仕事の「ゴール」を伝え、その「ゴールの達成のための手段」を相手に考させることこそが、「相手に考えさせる仕事の進め方」です。

たとえば、現場の仕事でいえば、バッシングした後のテーブルの清掃やセッティングが正しくできていないとき、「おい! テーブルに水滴まだ残っているじゃん! ちゃん拭いておいて!」と言ってしまうのが、指示してしまう仕事の教え方。

反対にあらかじめ、バッシングした後のテーブルの状態の「ゴール(あるべき姿)」を伝えておいて、さらに、なぜそうすべきかという「目的」を教えておきます。そして、実際の仕事で上記のような場面に遭遇したら、「なあ。バッシング後のテーブル清掃とセッティングはこれがあるべき姿?」と問いかけ、あるべき姿(ゴール)と今が何が違うのかを考えさせ、ゴールの状態になるように仕事をさせることこそが、「相手に考えさせる」教え方なのです。

この教え方をしていくと、スタッフは常に「ゴール」を意識して仕事をするようになり、仕事の質をいつも同じ状態(あるべき状態)に保つことができるようにもなりますし、スタッフも考えるクセがつき、これが習慣化すれば徐々に考えて動けるようになっていきます。

なので、大切なのは上司の側が、ゴールを示すこと! そのためにも、ゴールの状態を上司の側が正しく理解しておくことも忘れてはなりません。

さらに、この「教え方」を社内で共有していくことも重要。1人の店長だけがこの「教え方」をしていても、他のスタッフがいつも指示・命令ばかりしていては、いつまで経っても「自分で考えて行動出来る」スタッフを育てることはできません。

上司はゴールを示し、ゴールにたどり着くための手段を考えさせるという教え方を皆で共有し、皆でこの「教え方」に取り組むことで、会社全体、店全体で「自分で考えて行動できる」スタッフを育成することができるようになるのです。

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