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 3メガバンクがデジタル技術の活用による効率化を推進して、大規模な構造改革を行う動きが鮮明になって来た。

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 みずほFGはグループの事務を集中し、自動化できる定型事務作業の範囲を100業務へと拡大する。これによってグループの業務量削減目標は21年度に8,000人分、5年後の26年度にはグループの3分の1に迫る1万9,000人分へと増加させる。事務量を削減して発生した余剰人員は都市部の支店へ重点的に振り向けるが、今後3年を目途に20〜30店舗の統廃合を実施する計画だ。早ければ18年度に一部の地方で、新規の住宅ローン業務から撤退することも発表された。

 三菱UFJグループでも経営体制の再構築を行ったうえで、徹底的なデジタル技術の活用を進め効率化を追求する長期ビジョンを公表した。三菱UFJ信託銀行の法人融資業務を三菱東京UFJ銀に移管し、利ざやの縮小が顕著な法人融資分野の収益力の強化を目指す。自動化で23年度までに9,500人分の業務量を削減する。

 三井住友FGも20年度までに4,000人分を減らす。三井住友銀行は支店業務を3年間で集中的にデジタル化させる。電子化されたデータを全国9カ所のセンターに集約して、多くの職員を振り込みや納税、伝票の確認から解放し事務の効率化を進める。

 3メガバンクは事務の集中と自動化、デジタル化により万単位の職員に匹敵する事務量の削減を進めるとしていて、他に行き場がない限り余剰職員は削減されることになる。もちろん、現状であれば採用を手控える等の手法を取ることで対応可能であり、ドラスティックな方法に進むことはない。日本銀行のマイナス金利政策によって銀行は構造不況業種となり、打開する手立てが見当たらない袋小路に追い込まれている。

 日銀がマイナス金利政策を転換すれば銀行業界に多少の光明となるが、黒田総裁が在任している限り、当面はマイナス金利政策が堅持される。安倍首相が経済財政諮問会議で「3%の賃上げ実現を期待する」と、経営側に具体的な賃上げ要請まで行っていることを考えると、米欧の金融政策がタイトな方向に向かいつつあっても、日本の金融政策の転換は当面考えられない。そう考えると18年4月に任期が切れる黒田総裁を、続投させる選択肢に現実味が出て来る。3メガバンクはそう読んで、マイナス金利政策が継続されることを不可避として、「切羽詰まった状況に追い込まれる前に」腹を括ったのでないか?

 メガバンクが血を流す覚悟を決めたからには、中小金融機関に大きなうねりが押し寄せることは間違いない。いよいよ“銀行”にとっての正念場が始まる。