清野菜名は黒柳徹子の衣装を着て登場する

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黒柳徹子の半生をベースに、彼女とその家族が織りなす昭和時代の物語を描く帯ドラマ劇場「トットちゃん!」(テレビ朝日系ほか)。大石静の脚本による、キャラクター立ちまくりな登場人物たちが織りなす物語が、“朝ドラ以上に朝ドラっぽい”とまで言われている。本作の服部宣之プロデューサーに、主演の清野菜名さん、父親役の山本耕史さんをはじめ、番組のさまざまな見どころについて語ってもらった。

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──本日、11/1の放送からはいよいよ清野菜名さんが演じる徹子が登場します。すでに発表されている「徹子の部屋」のシーンを演じている姿から、そのなりきりぶりが話題になっていますが。

「徹子の部屋」のシーンの清野さんは、徹子さんをすごく勉強されていて、とても似ているんです。しかし、その他のシーンでは(徹子さんに)似せることを目的に作ってはいません。無理に寄せないでいいというのは清野さんと共通認識にしています。

物語は徹子さんが生まれる前からやっているし、徹子さん自身ドラマの中で成長していく存在ですから。子供時代を演じた豊嶋花ちゃんの匂いが清野さんにあった方が、見ている方も納得できると思います。彼女が成長して今の徹子さんになっていくので、成長とともに自然とご本人に寄っていくという形が理想だと思っています。

このドラマは、どうしたら今の徹子さんになるのかをひも解いていく作品なので、清野さんが意識していなくても、その状況に置かれていくことで話し方とか徐々に似ていくと思うんですね。似ていると言われるのはもちろんうれしいですが、そこだけじゃないというドラマの楽しみ方を発信していかないといけないなと思っています。

──清野菜名さんが演じられる徹子さんはいかがですか? また、服部さんが感じられる女優としての魅力は?

一人の女性の人生を、誰もが知る黒柳徹子になっていく道を彼女自身がちゃんと歩いている、そのお芝居が素晴らしいですね。今後、皆さんの知らない徹子さんの恋愛やプライベートの部分も描かれますが、こういう徹子さんが見たかったというニュアンスを残しながら、一人の女性のラブストーリーとして成立させているのは清野さんの芝居感の良さがあるからこそだと思います。

彼女はとてもナチュラルで、スイッチ一つで役に入れるし、普通の23歳の女の子に戻れる。まだ役者としてどんな役にもトライできて、何色にでも染まって、吸収できるんじゃないかと思います。徹子さんも芝居の経験もなく、テレビや芸能の知識もなくてNHKに入って女優になりましたが、その経緯が清野さんと似ているんじゃないかと思います。初登場した女学生の時と、物語終盤の徹子さんを演じている彼女は、きっと全然違うと思いますよ。

■ どこかで見た事がある衣装も登場!?

──清野さんの衣装には実際に黒柳徹子さんの私物をお借りしているものがあるそうですね

「徹子の部屋」のシーンでは徹子さんの衣装がたくさん出てきますし、それ以外のシーンでも徹子さんの衣装をお借りして清野さんに着ていただいています。「この衣装、どこかで見たことがある!」ということが結構あると思います。服のサイズも清野さんにピッタリで、一切直していないんですよ。カバンや小物類とかも徹子さんが持っているものをお借りしています。ハイブランドの物もあれば、海外の雑貨屋さんで購入した物まであるんですが、徹子さんのセンスは素晴らしいですね。清野さんにもとても似合っています。

──ドラマ序盤では、山本耕史さんが演じられている徹子の父親・守綱の昭和の父親像が話題です。彼の言動や行動は、現代だと問題になりかねないと思いますが。

実際、厳しい指摘をされたこともありましたが、実話ですからね(笑)。徹子さんの人生をひも解いていったらこういう事実がありました。お父さん役には徹子さんもすごくこだわりがあって、山本さんがいいと徹子さんがおっしゃったんです。あの役は、違う役者さんがやっていたら現代の匂いが出てしまったと思うんですが、山本さんが演じることで中和されていると思うんです。芸術家のエゴとか、昭和時代の特異性とか、違う人がやっていたらまた違う伝わり方をしていたんじゃないかと。そういう意味でも山本さんにすごく感謝しています。

守綱も徹子が生まれて少し雰囲気が変わりましたが、あれも山本さんの天性の勘だというか。芸術家の狂気性を残しつつ、一人の父親になっている感じも出している彼はただ者じゃない。同時期に「植木等とのぼせもん」(NHK総合)で植木等役をやられていましたが、昭和の空気が似合う方ですね。彼自身もこの1年で現実にお父さんになられて、ちょうどそんな時期にこの役と出会ったのは何か見えない力に引き寄せられているんじゃないかと思いました。

■ リアルさよりファンタジー性を感じるミニチュアに

──本作では、劇中に登場する建物に、ミニチュアなどを使ったりされていますね。

ドラマをやると決めた時に絶対に模型にしようと思っていて、脚本の時点から“模型で”と書かれているんです。このドラマは少し特殊で、月曜から金曜まで徹子さんご本人の番組「徹子の部屋」があって、その直後にその人を描くドラマをやっている。こういう形って日本のドラマ史上初めてなんです。ドラマの世界に入る扉というか、絵本の世界に迷い込むような装置を作りたくて、それが模型だったんです。似たような建物を見つけてリアルな映像として伝えることもできるんですが、リアルさよりもファンタジー性を感じるものの方がこの作品には合っているし、リアルさはなるべく排除しようと思っていました。

第1話は「徹子の部屋」のセットの模型から始まっているんですが、あれはその扉を開けることで徹子さんの時計を逆戻ししているといった効果が出たらいいなと考えました。ミニチュアについてはこだわりがあって、リアルではなくファンタジーに見えるものを作っていただきたく、模型作家の諸星昭弘さんにお願いしました。あと、戦争シーンも最初は模型でやろうかなとも思ったんですが、あのサイズ感を再現するのは難しかった。イラストにしようかと思った時に切り絵と出会って、またちょっと違う伝え方ができると思い、切り絵を採用しました。

──これからドラマはさらにいろいろな展開を見せていくと思いますが、今後の見どころと、視聴者の皆様にメッセージをお願いします。

まず第一に、黒柳徹子さんの人生をひも解くという楽しみ、誰も知らない黒柳徹子が見られるという楽しみがあります。あと僕と大石さんの中では、この物語は壮大な昭和史の話でもあって、黒柳家という家族をベースにして昭和の光と影を描いていこうとしているので、そういった面も感じていただければ。昭和という時代を懸命に生きた人たち、テレビの世界に命を懸けたり挫折をしたりした人たちの思いも感じていただければうれしいですね。