松山英樹【写真:Getty Images】

写真拡大

不振が続く松山、米紙が原因を分析「苦手なパットは最重要な心配の種ではない」

 男子ゴルフの世界ランク4位・松山英樹は前週の世界選手権シリーズHSBCチャンピオンズで50位と不振を抜け出せずにいる。昨シーズンは序盤から躍進を遂げ、ポイントランキング1位でレギュラーシーズンを終えたが、プレーオフからスランプに。苦境の原因について、米メディアは分析。果たして、その原因とは?

 なぜ、松山は不振に陥っているのか。「数字で見るゴルフ」とのタイトルで報じ、日本のエースについて分析を行ったのは、米全国紙「USAトゥデー」だ。

 松山は8月の全米プロゴルフ選手権でサンデーバックナインを首位で迎えるなど、メジャー初制覇も手の届くところにあった。しかし、ポイントランク1位で突入したプレーオフは予選落ちを含め、4戦すべて20位以下に低迷。シーズン初戦のCIMBクラシックこそ5位と健闘したが、大会連覇を狙ったHSBCチャンピオンズは50位に終わった。

 記事は「松山が苦手とするのはパットだ」と言及している。昨シーズンはパット力の指標となるストロークス・ゲインドで173位の平均-0.383であり、ひと大会の72ホールで平均的な選手よりパットで1.5打以上負けていると紹介。同2位の0.761だったリッキー・ファウラー(米国)はラウンドごとに1打以上のアドバンテージを稼いでいることになるという。

 しかし、本当の原因は別にあるのではないかと同紙は分析している。

松山が取り戻すべき“武器”「数字がマツヤマに示すのは、優勝争いに入るには…」

「数字を深く見ていくと苦手なパッティングは最重要な心配の種ではないかもしれないことが明らかになった」とした上で、こう指摘した。

「松山はその卓越したドライバーとアイアンのプレーにより、多くの大会で苦手なパッティングを乗り越えてきた。しかし、フェデックス・カップでは彼のウッドとアイアンに一貫性がなかった。アプローチ・ザ・グリーンの平均は不安定で、オフ・ザ・ティーとアラウンド・ザ・グリーンでは4大会中2大会でマイナスの平均を出した」

 このようにつづり、松山が勝つためにはウッドとアイアンを安定させる必要があると訴え、過去に勝った時の数字も同様の背景があると説明。もともと課題とされてきたパッティングを劇的に良化させることは難しくとも、躍進を支えてきた“武器”に本当の原因はあるようだ。

「数字が松山に示すのは、優勝争いに入るには、ティーとフェアウェイからの低いパフォーマンスの調子を取り戻すことだった」

 記事は、こう締めくくられている。松山は来日するトランプ米大統領、安倍晋三首相と5日にプレーし、16日開幕の国内ツアー・ダンロップフェニックスに出場予定。まずは本来の冴えわたるショットを取り戻し、国内のファンの前で「世界のマツヤマ」の本領を発揮できるか。注目だ。