店内はレトロなムードが漂う/玉屋

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“昭和レトロ”を追体験できるスポットが京都の二条城を南へ下がった城下町に延びる「京都三条会商店街」。全長およそ800mにも及ぶ巨大なアーケード商店街が、誕生したのは1914(大正3)年。それから昭和初期に飛躍的に発展し、今なお活気にあふれているんです。<※情報は関西ウォーカー(2017年10月24日発売号)より>

【写真を見る】「パンダ焼き」(1個90円)/玉屋

【吉村智樹さん】“街歩き放送作家”として関西のローカル番組を手がけ、「VOWやねん!」「街がいさがし」「ジワジワ来る関西」などの路上観察本を上梓。

■ 京都の城下町にホンモノの昭和レトロが息づいていた!

“昭和レトロ”とは単に昭和生まれの古いもの、ではないと思います。日本文化と海外へのあこがれがうまくミックスされ、平成生まれの若者が見ても「デザインが新しい」「キラキラしてる」「かわいい」と感じるモノや風景こそが“昭和レトロ”ではないでしょうか。

堀川三条から千本三条まで、東西約800mに約180店が軒をつらねる。発足はなんと大正3年!

例えば、大衆食堂の「玉屋」では、先代が描いたパンダのイラストがいまだに焼き型として使われている昭和47年生まれの「パンダ焼き」が健在。「ピチ&チャプ」という擬音で雨降りを表現した雨具の店「ニシカワ」のモダンなセンス。ハムをトーストにそのまんまのせた大胆なメニューが味わえる喫茶店「ケーキとあっくん」の斬新さなど、ここに来れば天然の昭和レトロを堪能できます。平成に入ってからオープンしたカフェや雑貨店も仲良く混在。歩いているだけで時間旅行が楽しめます。国宝や重要文化財だけではない「昭和探しの京都巡り」もいいものですよ!(吉村智樹)

■ パンダの回転焼きも人気の定食屋さん

カラカラと「玉屋」の引き戸を開けると広がるのは、昭和のままのレトロ空間。町の定食屋さんとして、初代からの味を引き継ぐ料理は、毎朝、2代目店主がダシをとることからスタート。うどんや丼など、どれも優しくて懐かしい味わいだ。

パンダが上野動物園に初来日したのを記念し、回転焼きにパンダの焼印を押すようになった「パンダ焼き」(1個90円)は昭和47年からの名物!販売は10月下旬〜の予定。

雪の衣笠山をイメージしたと言われる「衣笠丼」(620円)は、昭和創業ならではの一品。

1963(昭和38)年ごろに改装した当時のままという「玉屋」の店内はレトロなムードが漂う。写っているのは2代目店主の伊藤照雄さん。

扉のはめガラスなども当時のままで、店の前に立つだけですでに昭和気分。

■玉屋<住所:京都市中京区壬生馬場町5 電話:075-811-6749 時間:11:30〜18:00(LO) 休み:月曜、11月18日(土)、ほか不定休 席数:24席 タバコ:禁煙 駐車場:なし 交通:JR二条駅より徒歩8分>

■ 水で抽出するダッチコーヒーが名物

「コーヒータイム ケーキとあっくん」は、じっくりと長時間かけて水で抽出する、まろやかな風味が特徴の「ダッチコーヒー」(400円)が名物の喫茶店。「店名を見るとケーキの店かと思いきや、『ケーキ』も『あっくん』も、ご店主のご子息の名前なんです」という秘話(?)も。

吉村さんの大好物、「ハムトースト」(350円)。フワフワのトーストと、旨味のしっかりとした食感のハムが好相性。

木造りのドアやガラス越しに見える店内もシック。

■コーヒータイム ケーキとあっくん<住所:京都市中京区御供町292 電話:075-822-2211 時間:8:00〜20:00(LO19:30) 休み:日曜 席数:29席 タバコ:喫煙可 駐車場:なし 交通:地下鉄二条城前駅より徒歩8分>

■ 在庫2000本以上の傘専門店!

「ピチ&チャプ ニシカワ」は、洋傘や和傘にかっぱ、提灯の専門店。洋傘を中心に、1000円台から数万円台まで在庫はつねに2000本以上という充実ぶり。先染め織物を使った美しくモダンな高級傘から、カラフルでおしゃれなタイプまで、老若男女の傘がそろう。

こちらで購入した傘なら、糸とじなどの修理は無料でしてくれるのも、人気の秘密。

■ピチ&チャプ ニシカワ<住所:京都市中京区西ノ京南聖町21 電話:075-841-0165 時間:11:00〜20:00 休み:不定休(11月は未定) 駐車場:なし 交通:JR二条駅より徒歩5分>

■ “映画前史”が学べる変わりダネミュージアム

大宮にある「おもちゃ映画ミュージアム」は、1890年代に発明されたシネマトグラフ(映画)の発展に大きく寄与した、光学玩具やアニメーション、映写機などを集めた博物館。展示物は昭和初期や大正時代にまでさかのぼり、光学玩具などは触って遊べるのも魅力的だ。

棚には映写機がズラリ。左は吉村さんの大学時代の恩師でもある、代表理事の太田米男さん。

鏡に映して回転させると、絵が動いて見える「フェナキスティコープ」は見た目もキュート。

1930年代、昭和初期に製造された国産「ハグルマ家庭映写機」。

回転させると、はめ込まれた絵が中央の鏡に映し出され動いて見える「プラキシノスコープ」。

上映された無声映画のフィルムが切り売りされたものなど、「玩具映画」も随時上映(30秒〜3分)。時代劇からアニメーションまで多彩だ。

築100年の京町家を改装した館内に、古くは昭和以前までさかのぼるような展示物もある。

■おもちゃ映画ミュージアム<住所:京都市中京区壬生馬場町29-1 電話:075-803-0033 時間:10:30〜17:00 休み:月曜 火曜料金:入館料 (500円) 駐車場:なし 交通:阪急大宮駅より徒歩8分>【関西ウォーカー編集部】