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外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏が2017年9月の為替相場レビューと、今後注目の経済指標やイベントをもとにした今後の相場展望をお届けする。

【ドル/円相場10月の振り返り】

10月のドル/円相場は111.651〜114.448円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約1.0%の上昇(ドル高・円安)となった。6日の米9月雇用統計で平均時給の伸び率が予想を大きく上回ったものの、13日に発表された米9月消費者物価指数ではインフレ圧力が依然として高まっていない事が示された。

こうした中、中旬には一時111.60円台へ下落したが、世界的に株価が堅調な「リスクオン」の地合いの中で下値は堅かった。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長候補のひとりに、タカ派と目されるテイラー・スタンフォード大教授が浮上した事や、本邦衆院選(22日投開票)における自民・公明の圧勝によって金融緩和を柱とする「アベノミクス」が当面継続されるとの見方が広がった事から、流れはドル高・円安に傾いた。米議会が2018年度予算決議案を可決した事でトランプ米大統領の目玉政策である税制改革への期待が再燃した事も、ドル/円の上昇を支援。下旬には114.40円台まで上昇して7月11日以来の高値を付ける場面もあった。

【ドル/円相場11月の見通し】

10月のドル/円相場は小幅に続伸。10月としては7年連続の上昇となった。11月も過去5年連続で上昇しており、6年連続に挑む事になる。例年、この時期にドル高・円安が進む傾向にあるのは、本邦機関投資家らによる外債投資の動きや、国際展開する米企業の利益還流の動きが背景と考えられている。

特に後者は、感謝祭休暇(今年は11月23日から)の前に活発化しやすいとされる。もっとも、来年度の米税制改革案に海外保留利益への減税(時限措置)が含まれるため、今年は米企業の利益還流の動きが先送りされる可能性もある。米議会における同法案の審議の行方にも注目しておきたい。また、11月は米連邦公開市場委員会(FOMC、1日)や次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長の指名(2日)のほか、米10月雇用統計(3日)など、月初に重要イベントが集中しているのが特徴的だ。その点からも、11月のドル/円相場は、海外勢が感謝祭休暇に入るまでに大勢が決する可能性が高いと考えられる。

【ドル/円相場11月の注目イベント】

○執筆者プロフィール : 神田 卓也(かんだ たくや)

株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長。1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信(デイリーレポート『外為トゥデイ』など)を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。Twitterアカウント:@kandaTakuya