中朝間に貼られたフェンス(Kevin Frayer/Getty Images)

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 10月上旬に中朝国境に中国軍が多数、移動していたと、現地の住民はこのほど大紀元日本に伝えた。北朝鮮問題で緊張が高まるなか、軍の動きは憶測を呼んでいる。

 中朝国境付近にある村の住民の話によると、中国軍の戦車や装甲車両が村を通過し、上空ではジェット機が轟音を立てて飛んでいったという。生まれて初めて戦車を見た人も大勢いた。中国軍が移動をしていたのは10月上旬のことで、その後はあまり見かけなくなった。 

 香港誌争鳴・動向10月号によると、9月頃から中国軍はコードネーム「一七使命」なる軍事行動を開始し、中朝国境地帯に18万人もの大軍を集結させている。そこには中部戦区(北京周辺)から出動した第81集団軍と第82集団軍の4つの機械化師団と、中部戦区及び東部戦区から出動した4つの爆撃機大隊と8つの戦闘機大隊、そして6つの地対地ミサイル・地対空ミサイル大隊が含まれているという。

 中国の最新の兵科分類からすれば、陸軍、空軍、戦略ロケット軍が出動したことになる。

 中国国内メディアによると、許其亮(シュー・チーリャン)中央軍事委員会副主席は9月中旬に中国東北部に赴き、駐在部隊に対し「習近平精神を徹底すべき」「思想を統一し」「精神を統一」するよう求めた。さらに習近平氏の「一言一句、一挙一動」の決定に従うよう強調した。許氏以外にも、中国共産党高官が随行していたため、この度の東北訪問は駐在する軍隊に緊張感を保たせる狙いがあるとの分析がある。

 北朝鮮は今までも中国の「敏感な日」を狙って挑発行為を行ってきた。9月3日、北朝鮮が国際社会の警告を無視して6回目の核実験を行い、「BRICS」首脳会談を主催した習近平氏の顔に泥を塗る結果となった。中国軍は核実験に対するけん制として2日後の9月5日に渤海湾(中朝間にある海域)にて「来たら叩く(進駐就打)」と題する軍事演習を行い、対空ミサイルで襲来する敵機を攻撃する訓練や、核攻撃・生物兵器攻撃を想定した訓練も実施された。中国国防部が9月28日に行った記者会見では、中国軍は国家安全と地域の平和安定を保つあらゆる措置を取ると報道官が発言した。

  北朝鮮はもはや中国の忠実な同盟国ではなくなっている。中国社会科学院アメリカ研究所の李文氏は香港メディアに対し、北朝鮮は今や中国の安全を最も脅かしている国家であると発言した。李氏によると、北朝鮮の核施設が中朝国境付近に位置することは非常に危険であり、核物質が漏えいすれば広範囲の地域を汚染し、極東アジアに無人地域を作りかねない恐れがある。

(文亮)