半導体各社の株価に注目が集まっていますが、その背景にはおなじみCPUとは異なる、ある目的に特化した製品群がありました。

■株式市場をけん引する半導体株

 日米共に株式市場は上昇していますが、好調な株式市場のけん引役になっているのが半導体株です。半導体株が好調なのは半導体市況が活況を呈しているためですが、今回はその背景について考えてみましょう。

 市場の注目を集めている米国株式の1つにエヌビディア(NVDA)がありますが、同社は半導体関連銘柄の代表格と言えるでしょう。米国の半導体関連株にはエヌビディアのほかに、ブロードコム(AVGO)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)、クアルコム(QCOM)、インテル(INTC)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などがありますが、これらの半導体関連株を対象としたフィラデルフィア半導体株指数(SOX)という株価指数があります(なお、エヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズはeワラントの対象原資産になっています)。

 図1はフィラデルフィア半導体株指数(SOX)とS&P500指数の比較です。今年の株価の値動きを昨年末を100として指数化しています。図1から分かるように、今年の米国株式の上昇は半導体関連株がけん引したものと言えるでしょう。日本でも東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、ディスコ(6146)など半導体関連株は堅調です(なお、東京エレクトロンとディスコはeワラントの対象原資産になっています)。

■半導体株の上昇を支える製品とは?

 米SIA(Semiconductor Industry Association)の発表によると、半導体の利用用途としては、スマートフォンなどの通信端末、PC/コンピュータでの利用が半分を占めています。しかし、1年前と比べるとスマートフォンなどの通信端末は2.6%シェアを減らしています。PC/コンピュータが0.2%のシェア低下に留まったのと比べるとシェアの低下が目立っています。一方、家電、自動車、産業/政府でのシェアが増えています。これはIoT家電、自動運転技術、人工知能といった分野での利用が増えているのでしょう。

 ところで、PC/コンピュータ向けの半導体のシェアが大きく減っていないのは違和感があります。世界のPC出荷台数は右肩下がりだからです。図2のシェアは数量ではなく金額です。PC出荷台数は減っているのに金額で見た用途のシェアが落ちていないのはなぜでしょうか。そこには、ある特殊な半導体製品群が関わっています。

 近年需要を伸ばしている半導体製品には、FPGA、ASIC、ASSP(※)などがあります。普段家庭や職場で利用するPCに入っている半導体製品はCPUなどですが、FPGA、ASIC、ASSPといった半導体製品は画像処理などの目的に特化しており、高速処理を実現するためのアーキテクチャを有しています。

※FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)

小野田 慎[著]