古き良き昭和の時代、銭湯は人々の社交場であり、生活に根付いた公衆浴場だった。銭湯では、瓶のコーヒー牛乳を腰に手を当てて一気飲みするおじいちゃん、おばあちゃんの姿が、心象風景として誰の心の中にもあるはずだ。そんな「銭湯のコーヒー牛乳」をイメージさせる線香『コーヒー牛乳 ミニ寸線香』が、本日11月1日に発売された。仏壇で線香を上げる際、こうした懐かしい「コーヒー牛乳」を形どった線香なら、きっと故人も喜んでくれるに違いない。

■線香は故人の好物を供えるもの。懐かしの「コーヒー牛乳」なら満足するハズ

線香とは、故人を偲ぶためにお墓や仏壇にお供え物として燻らせる「香」のこと。本来、故人が好きだった香りを混ぜた線香を焚くのが一般的で、主に杉や白檀、椨(タブ)などの樹木を粉末状にした原料に、さまざまな香料を加えて練り上げて作られる。このほか、墓参りや仏壇には故人の好物などを供物として上げるわけでが、本来的な意味では線香の香り=故人の食べ物と考えられている。

 

こういった古からの考えに基づき、ローソク・線香の製造販売を手掛けるカメヤマ株式会社(大阪市北区)は「好物シリーズ」として、さまざまな線香やローソクなどを開発してきた。その最新作が『コーヒー牛乳 ミニ寸線香』(約50g・燃焼時間 約19分・希望小売価格 税抜680円・2017年11月1日発売)となる。

 

タブ粉というのは、香料などを連結する役目を果たす線状の繊維質で、それが線香の名の由来とも言われる。

 

パッケージには、「銭湯の湯上りに飲んだ、昔ながらのコーヒー牛乳のような甘くて少しほろ苦い、懐かしい香りです。」とある。煙はかなり少なめで、19分ほどで燃え尽きるという。原料には前述したタブ粉、炭粉と香料を練り込んで作られているようだ。つまり、この香料がコーヒー牛乳の香りということになるだろう。

 

スライド式に箱を開けると、黒い線香の束が現れる。すでに、この時点でコーヒーの匂いが漂ってくる。パッケージには、ご丁寧に「本品は食べられません」との表記。確かに、このパッケージと匂いでは、子供が間違って口にしても不思議はない。くれぐれも、子供の手が届かない場所に保管することをオススメしたい。

 

中身を取り出してみると、商品名の「ミニ寸」という文言通り、一般的な線香より短めとなっている。ただ、最近では防火という面から通常の線香を半分に折り、仏壇に上げるという使い方が多いそうなので、燃焼時間が約19分ということもあり、このぐらいのサイズ感が自宅の仏壇に供えるにはちょうどいいのだろう。

 

それでは、さっそく火をつけてみる。

 

指で摘んだ感覚を、別の物で比喩してみようと思ったが、これは何にも似ていない。まごうことなき“線香”である。ただ、指についた香りがほんのりとコーヒーということだけ。

 

けむりが見やすような背景で、火をつけた「コーヒー牛乳 ミニ寸線香」を香立てに立ててみたが、まったくけむりが見えない。実際には少しけむりが上がっているのだが、スペックの「かなり少ない」の表記通り、気になるレベルではない。

 

そして、部屋にはコーヒーの香りが広がった。いわゆる線香の匂いとコーヒーの匂いがブレンドされた香りだという表現が適切かと思われる。そして、これが非常に好ましい香りだ。喫茶店でコーヒー豆を焙煎している匂いとも少し異なる。これは、仏壇に上げるという用途だけでなく、こういう「お香」を焚いていると考えれば仏事のみで使わなくてもいいかもしれない。

 

■カメヤマのユニークな「好物シリーズ」はお参りの作法にも合致している

カメヤマの「好物シリーズ」では、線香だけでも「すいか」「カレー」といった香りの製品を販売しているだけでなく、「不二家ネクター」「サクマドロップ」「ボンタンアメ」「ミルキーの香り」といった、企業間コラボの線香も販売している。ただ、線香が故人の食べ物という考えからすると、同じく好物シリーズの「北のかおりハッカ油」というのは、ちょっと毛色が違うのではないかと思ってしまった。

 

同社の主力はロウソクというイメージが強いが、こうしたユニークな「好物シリーズ」が販売されていることを知らない人も多いだろう。しかし、前述した通り、こうしたユニークな商品が単なる“キワモノ”ではないことは理解できたかと思う。仏具として仏壇に常備しておきたい逸品だ。