年賀状の由来と歴史

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年月が過ぎるのは早いもので、2017年も残るところわずか2ヵ月となった。本日11月1日は年賀状の発売が開始される日だが、みなさん年賀状はいつごろ誕生したのか、ご存知だろうか。「教えて!goo」にも「年賀状の歴史を知りたい」という疑問が寄せられていた。そこで今回は年賀状の由来と歴史について迫ってみたいと思う。

■年賀状はいつ誕生した?

まず、現在のようなハガキを使った年賀状は、いつごろ誕生したのだろうか? 郵政博物館に問い合わせをしたところ、年賀状の歴史はとても古いことがわかった。

「日本の年賀状の歴史は、明治に入って新式郵便制度の実施後、郵便葉書の普及に伴って一般化したとの見方が有力です。(略)しかしながら、大化2(646)年にはすでに宮廷で年賀の儀式が始まっています。平安時代に藤原明衡が著わした『雲州消息』には、年賀の手紙の例文がいくつも取り上げられています」(郵政博物館『年賀状の歴史と話題』より)

どうやら年賀状を出すことが世間に広がったのは、郵便制度の開始がきっかけのようだ。しかし、日本で年賀状が誕生したルーツは、平安時代にまで遡るのである。

「群雄割拠の戦国時代に武将が記した年頭の挨拶文も残っています。戦国時代こそ儀礼を重んじ、意思の疎通を大切にする必要があったのかもしれません。また、太平を謳歌した江戸時代には公私の飛脚制度が発達し、年賀の詞を記した書状も多く現存しています」(郵政博物館『年賀状の歴史と話題』より)

最近はメールで済ますことも多くなった年賀状だが、そもそも何のために年賀状を送るのか。過去の年賀状の在り方を考えることで、その答えも見えてきそうだ。

■お年玉付や絵付の年賀状はいつ誕生したのか

現代の年賀状といえば、お年玉付や絵入りが当たり前になっている。これについてはいつごろ誕生したのだろうか?

「昭和24年12月に、新しい試みとして、お年玉くじ付の年賀葉書の発行が始まりました。年賀用のくじ付葉書は、京都に住む林正治氏(当時42歳)によって考案されたものです。当時、氏はまったくの一民間人。(略)この年の6月にアイディアを思いついて郵便局へ行ったところ、本省への紹介状を書いてくれたので、見本のハガキを作り、宣伝用のポスターを描いて、お年玉の賞品案も携えて7月に上京します」(郵政博物館『年賀状の歴史と話題』より)

お年玉くじ付の年賀ハガキは、一般人が考え付いたものだった。

「氏は『終戦後、うちひしがれた状態のなかで、通信が途絶えていました。年賀状が復活すればお互いの消息がわかるのにと思ったのが最初の発想です。それにくじのお年玉をつけ、さらに寄付金を加えれば夢もあり、社会福祉のためにもなると考えたのです。』と昭和62年のサンデー毎日の記事のなかで、その頃を回想しています。新聞やラジオは、連日尋ね人の消息を求めていた時代でした」(郵政博物館『年賀状の歴史と話題』より)

時代背景を考えると、胸が苦しくなる話だが、こうした環境下だからこそ、お年玉くじ付の年賀状は誕生したのだ。

「お年玉くじ付の年賀ハガキの交換は、年を追って盛んになりました。(略)郵政省も昭和58年用から寄付金つき年賀葉書を絵入り葉書に変え、裏面へ新年にふさわしい絵や年賀の言葉を印刷して発行することにしました。一般の要望に応えたもので、また民間業者の加刷した葉書を適正価格へ誘導する目的もありました」(郵政博物館『年賀状の歴史と話題』より)

お年玉付きや絵付の年賀状の誕生秘話に、こんなドラマが隠されていたとは……! 毎年恒例となっている年賀状だが、こうした背景を踏まえ、今一度、年賀状の持つ意味を考えたいものである。

ちなみに年賀状のポストへの投函期限は、12月25日までに投函すれば離島などを除き、元旦に配達される。「今年は出してみようかな……」と考えている方は、併せてチェックしておきたい。

【取材協力】
・郵政博物館

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)