10月27日に世界50カ国以上で始まった「iPhone X(テン)」の予約は好調だったようだと海外メディアが報じている。

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「とてつもない需要」とアップル

 米国では10月27日午前12時1分(太平洋標準時)に、日本では同日午後4時1分(日本標準時)に、全世界で一斉にこの10周年モデルの予約注文が始まった。米ウォールストリート・ジャーナルによると、その直後から、米国や日本、中国といった世界各国で、ウェブサイトに表示される出荷日までの期間が「5〜6週間」に引き延ばされた。

 この期間を過去のiPhoneと比較すると、昨年発売したiPhone 7シリーズは、予約開始直後に「1〜3週間」となった。また2014年に発売したiPhone 6では「1週間以内」、同シリーズの大型モデル「Plus」は「3〜4週間」だった。

 これらに比べ、今回の10周年モデルは、瞬く間に出荷日が大幅に延びたというわけだ。これについて、アップルの広報担当者は、予約初日の顧客需要は「とてつもないものだった」とのコメントを出している。

 また、こうした状況を受け、米マーケティング会社GBHインサイツのアナリストは、iPhone Xの年内における注文数予測を、それまでの4000万台から、5000万台に上方修正した。

 一方、週明け月曜日のアップル株は、一時168.07ドルと最高値を付けており、「アップルは初の時価総額1兆ドル企業に刻々と近づいている」と、英ロイター通信は伝えている。アナリストらはiPhone Xの需要について、楽観的に見ているという。

ぱっとしないiPhone 8の販売

 これに先立つ9月22日、アップルはiPhone Xよりも安価な「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」を発売した。しかし、これらiPhone 8シリーズは今のところ販売がぱっとしない状況だと言われている。

(参考・関連記事)「精彩を欠くiPhone 8の販売状況は何を意味するのか」

 例えば、ウォールストリート・ジャーナルは、iPhone 8シリーズの販売初日の売れ行きは精彩に欠けるものだったと伝えた。また、台湾の経済日報は、部品メーカーの話として、アップルはiPhone 8シリーズの11月と12月における生産台数を、半分に減らす可能性があると伝えている。

 このほか、米国と英国ではiPhone 8シリーズよりも、旧型のiPhone 7シリーズの方が売れているといった調査報告もある。

リスクは価格と供給体制

 もし、これらの報道や調査報告が正しければ、アップルはこの状況をiPhone Xで盛り返す必要がある。ただ、iPhone Xはその販売価格が999ドル/1149ドル(日本では11万2800円/12万9800円、税別)と、これまでで最も高額。同社は、消費者にその価値を認めてもらう必要がある。

 このほか、iPhone Xは、製造の遅れがリスクになるとも言われている。もし、高まる需要に早急に対応できなければ、同社は年内、相当の商機を逃すことになると、ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディアは伝えている。

筆者:小久保 重信