相性抜群のルームメイトを探すアプリ「Whoomies」の挑戦

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ルームシェアはギャンブルだ。どれほど素敵な物件でも、同居人と相性が合わなければ悪夢が待っている。

ビジネスモデルの革新が進む賃貸不動産業界で、ルームシェアを希望する若者を対象とした画期的なアプリが登場した。従来の不動産アプリの多くはユーザーと物件をマッチングするが、「Whoomies」はルームメイトを見つけるアプリだ。性格、趣味、ライフスタイルなどが合う者同士を結びつけ、双方の条件に合うシェア物件を紹介する。今年1月のフランス版公開に続き、6月にイギリス版がスタートした。

「Whoomies」共同創業者でCOOのローレン・ダネイは、法律を学んだ後、パリ第9大学で金融・資産管理の修士号を取得したフランス人女性起業家。プライベートバンクNatixis Private Bankingでの研修中、成功を収めた人々のポートフォリオを担当したことが、その後の彼女のキャリアを決定づけた。

「自分は有形資産に投資するプライベート・エクイティ・ファンドの仕事が向いていると思っていたので、プログラム終了後はその道に進むつもりでした。それがクライアントの起業家たちと出会ったことで、考えが変わったのです」

起業家たちに接するうちに、自身でビジネスを立ち上げたいという欲が生まれたという。

「VCファンドやプライベートバンクで実績を上げ、ボーナスをもらう10-15年後の自分を想像してみましたが、一流企業で働く安心感や利点よりも、自分自身で何かを生み出したい欲求の方が優っていました。(投資家に向かって)自分のサクセスストーリーを語る側になりたいと思いました」

「Whoomies」の構想は、ダネイと親友で共同創業者のアレクサンドル・アッサルの海外でのルームシェア体験から生まれた。

「その頃、アレックスはロンドンでシェア物件を探していたのですが、過去にニューヨークとシンガポールで悲惨な目に遭った経験から、部屋の質よりもルームメイトとの相性を重視していました。私はといえば、まさにその悲惨なルームシェア生活の真っ只中にいました。二人とも散々な目に遭ってきたということは、誰もが同じような経験をしているに違いないと思ったのです」

保険会社との提携も計画

米国発の「Roomster」や英国発の「SpareRoom」といった他の著名なルームシェアのためのアプリが物件を前面に出しているのに対し、「ティンダーのルームメイト版」として開発された「Whoomies」は、人同士のマッチングを重視する。ユーザーはライフスタイルの他に、年齢や学校によって相手を絞り込むことも可能だ。

テック業界の経験を持たないダネイとアッサルは、アプリの制作にあたり、パスワード管理アプリ「oneSafe」を開発したLunabee Studioと提携。資金面では、ダネイの知人のエンジェル投資家から30万ユーロ(約4000万円)、フランス政府から3万ユーロ(約400万円)の出資を受け、ダネイとアッサル自身も5万5000ユーロ(約730万円)を準備した。

2017年1月のローンチ時、ダネイはプライベートバンクの仕事も続けていた。昼間の仕事と立ち上げの準備を並行していた時期について、「非常にハードでした。念入りに準備をすればするほど、新しい課題が見つかりました」と、ダネイは振り返る。

「Whoomies」の次の目標は、フランスとイギリスの市場を制覇することだ。「ロンドンのルームシェア用賃貸物件市場はヨーロッパ最大の規模を持ち、フランスのそれよりもはるかに成熟しています。両方の市場が理解できるようになれば、他の市場にもより速く効果的に進出できるはずです」

運用地域の拡大に加えて、アプリ内サービスの拡大も計画している。今後のプランには、ルームメイトや家主との間で家賃の管理を効率化するサービスや、家事代行会社、運送会社、保険会社との提携による割引サービスなどが含まれる。

また、ルームシェアを行う層の大半が学生であることから、現在は学生をメインターゲットにしている「Whoomies」だが、ダネイは「すべての人のためのアプリです」と言う。「年齢を問わず、最高のルームシェア体験をお手伝いするのが私たちです」