父・金正日の生誕の地とされる白頭山の山頂にたたずむ金正恩。まさかこの“聖地”が崩壊の引き金に…!?

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北朝鮮の当局者は10月16日、米CNNの取材に対し、「近く、核実験か大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験をする可能性がある」と答えた。

北朝鮮は9月3日にも核実験を行なっており、次が7回目となるが、専門家からは核開発の進展とは別の“もうひとつの危機”が指摘されている。「核実験が白頭山(ペクトサン)の大噴火を誘発するのではないか」というのだ。

金正恩(キム・ジョンウン)の父・正日(ジョンイル)の生誕の地とされる白頭山は、核実験施設から約110kmと近い距離にあり、約1千年前には世界最大級の噴火を起こした活火山。韓国の『KBSワールドラジオ』は9月25日、「これまでの核実験で、地質や断層が不安定になっている。核実験による一連の揺れが白頭山のマグマ層に影響を及ぼし、噴火する可能性もある」という延世大学地質学科のホン・テンギョン教授のコメントを紹介している。

そして不気味なことに、核実験場付近では9月23日にM(マグニチュード)3.4、10月13 日にM2.7の地震が観測されている。もし次の核実験が原因で白頭山が噴火したら、北朝鮮はどうなるのか? 東アジア総合研究所理事長の姜英之(カン・ヨンジ)氏に聞いた。

「現在、北朝鮮の配給制度はほぼストップしており、北部の中朝国境に近い場所では多くの闇市場がつくられ、住民は中国側と取引をして生活しています。もし噴火が起きれば、規模にもよりますが国民の食料事情はさらに厳しくなり、生き延びるためにこうした闇市がどんどん広がっていくでしょう。地方で闇市場経済が広がると、金正恩政権は統制を図るために軍隊を派遣するでしょうが、生きるか死ぬかというときに規制されても、国民は簡単に従うことはできません」

こうした国民の反発や不満が、金正恩体制の崩壊に結びつくリスクもあるという。

「国民の不満が高まると、軍の内部からも金正恩体制に反発する勢力が集結して立ち上がる可能性があります。なぜなら、クーデターを企てたとして2013年に処刑された当時北朝鮮ナンバー2の張成沢(チャン・ソンテク)氏に通じていた人間がまだ残っているからです。その数は3万人とも5万人ともいわれています」

噴火とクーデターが重なれば、もはや制御不能の大混乱状態になる。金王朝の崩壊は、アメリカでも中国でもロシアでもなく、皮肉にも“聖地”とされる白頭山から始まるのかもしれない―。

◆『週刊プレイボーイ』46号では、他にも金正恩が完成を急ぐ“最終兵器”について特集。果たして、その実力とは?

(写真/時事通信社)