現地時間の9月28日、米国エネルギー省(DOE ; Department of Energy)のリック・ペリー長官は、要するに、

‥杜麓由化の進展がもたらした低価格な天然ガスと再生可能エネルギーの増加により、
近年、石炭火力発電所と原子力発電所の閉鎖が続発しているが、
それによって顕在化しつつある送電網の回復力の維持など電力システム上の危機を回避するため、
じ胸厠枠電と石炭火力発電に係る二つの支援策を提案する
と発表した。

概要は次の(1)・(2)の通り。

(1)送電網の『回復力』保全のための支援策

ペリー長官は、連邦エネルギー規制委員会(FERC : Federal Energy Regulatory Commission)に対して、送電網の回復力への脅威に対処するため直ちに行動するよう指示した。

《原文より抜粋》
U.S. Secretary of Energy Rick Perry formally proposed that the Federal Energy Regulatory Commission (FERC) take swift action to address threats to U.S. electrical grid resiliency.

上記の趣旨を具体化したものは、ペリー長官からFERCへの文書(Secretary Rick Perry's Letter to the Federal Energy Regulatory Commission)に記されており、その構成は次のようなもの。

《原文より抜粋》
The Resiliency of the Electric Drid --- and Our National Security --- is In Jeopardy
There Have Been Significant Retirements of Traditional Baseload Generation
The 2014 Polar Vortex Exposed Problems With the Resiliency of The Electric Grid
Regulated Wholesale Power Market Are Not Adequately Pricing Resiliency Attributes of Baseload Power
NERC Warns That Premature Retirements Of Fuel-Secure Generation Threaten the Reliability and Resiliency of the Bulk Power System
The DOE Staff Report Made Clear the Challenges to the Grid and That Resiliency Must Be Addressed
FERC is Aware Of the Problems and Must Take Action
Proposed Rule To Protect the Resiliency Of the Electric Grid
Conclusion

電力自由化を進めてきた米国では、FERCが中心となって、独立系統運用者(ISO ; Independent System Operator)や地域送電機関(RTO ; Regional Transmission Organization)の卸電力市場への新規参入を促進してきた。

その結果、様々な災害やトラブルで燃料供給が途絶えた時でも発電が可能な伝統的ベースロード電源の閉鎖が最近、次のように急速に進んできている。

2000〜09年では、主に天然ガス火力発電所が閉鎖。
2010〜15年では、閉鎖発電所全体の52%超に当たる3700万kWが石炭火力発電所。
2016〜20年では、閉鎖済み及び閉鎖見込みの3440万kWのうち、49%が石炭火力発電所、30%が天然ガス火力発電所、15%が原子力発電所。  
2002〜16年では、466.6万kWの原子炉が閉鎖済み。  
2016年以降には、8基(716.7万kW;米国の原子力発電設備容量の7.2%、全発電設備容量の0.6%)が閉鎖見込みであるが、ここには州政府の措置で早期閉鎖を免れた7基は含まれていない。

北米電力信頼度協会(NERC ; The North American Electric Reliability Coporation)の見解にもあるように、北米の電力システムでは、天然ガス・風力・太陽光が成長する反面、化石燃料・原子力発電所が閉鎖していくという変化が急速に起こりつつある。

これは、連邦政府・州政府・自治体による政策、天然ガスの低価格化、電力市場の競争原理などによって惹起。電源構成の変化は、基幹電力系統(BPS ; Bulk Power System)の運用特性にも大きな変化をもたらした。送電網の信頼性を維持し、回復力を保証していくためには、BPSの運用特性の変化をよく理解しながら適切に管理していかなければならない。