イギリスの冒険家が、まるでファンタジー映画のように、風船に結んだ椅子に乗って南アフリカの砂漠を25キロ飛行した。

珍奇なレースを企画

Tom Morganさんは、冒険旅行を企画する会社「The Adventurists」の設立者だ。

同社では、ロシアの凍った湖上でバイクレースを開催するなど珍しい競技会を開催し、そこからの売上を慈善団体に寄付している。

現在企画しているのは、100個の風船に結びつけた椅子に乗って行うレース。2009年のアニメ映画「カールじいさんの空飛ぶ家」から着想を得た。映画には、何千もの風船を結んだ家が、空を飛ぶシーンがある。

「予定しているのは、パーティーで使うヘリウムガス入り風船にぶらさげた椅子に座って行う3日間のレースです。おそらく、世界でもっとも馬鹿馬鹿しい空のレースになるでしょうね」と、Morganさんは海外メディアに語っている。

The Adventurists/Facebook

レースの予行演習として飛ぶ

しかし、実際これが可能なのか?

レースの実施前にテストが必要だ、とMorganさん自身が今回はトライした。

最初のアフリカ南部のボツワナ共和国の砂漠で、2カ月間かけて計画を練った初挑戦は失敗に終わった。

彼は「内陸部で砂漠地帯が広く、何か事故があって不時着してもそのまま死んでしまう」と言う。

その後、場所を南アフリカ共和国のヨハネスブルグ付近に移して再挑戦。

何度かの失敗後、残り1回分となったヘリウムガスで挑んだ最後の10月23日のチャレンジで、見事成功した。

The Adventurists/Facebook

100個の風船と肘掛け椅子

彼が乗ったのは、色とりどりの100個の風船に結ばれたガーデン用の肘掛け椅子。もちろんセーフティベルトは着けてある。

最初、ゆっくりと上昇しはじめた風船は、上空で温度が高くなっている反転層に達すると、上昇速度を急激に増した。

「その時は驚いたけれど、何とか冷静を保って風船を1つずつ切り離したよ」と彼は言う。「何と言っていいかわからない感覚だった。アフリカの砂漠を、沢山の風船にぶら下がった安っぽい椅子に座って横断しているんだからね」

このテスト飛行で彼が飛んだ距離は25キロ、時間は2時間。高度は2.4キロにまで達した。

テスト飛行を終えた同社は、現在このレースの参加者を募集しているそうだ。