2017年10月10日、国土交通省は「車線維持支援機能に関する国際基準を導入」すると発表した。これは、よくある「指針」や「指導」ではなく、「道路運送車両の保安基準」の主な改正項目で、同日より公布・施行されている。自動運転が規制される?それとも規制緩和?詳しく解説する。(写真はイメージ:PIXTA)

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国交省が導入を発表した「車線維持支援機能」とは?

2017年10月10日、国土交通省は「車線維持支援機能に関する国際基準を導入」すると発表した。これは、よくある「指針」や「指導」ではなく、「道路運送車両の保安基準」の主な改正項目で、同日より公布・施行されている。 
国土交通省は、「自動操舵機能のうち、ハンドルを握った状態での車線維持支援機能、補正操舵機能、自動駐車機能を有する自動車は、かじ取り装置に係る協定規則(第79号)に規定された各機能についての要件に適合しなければならないこととします」としている。
 
その内容は、現在すでに一部の自動車に採用されているレーンキープと呼ばれる車線維持機能について、「国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」において策定された国際基準を日本も導入するというもの。
 

今まではメーカーでまちまち。今後は「手放し運転」の時間を65秒に統一

国土交通省の発表や参考資料だけだと、内容がよく分からないが、共同通信などの一部報道によると、車線維持機能が付いた自動運転技術搭載車などで、ステアリングから手を離し、15秒以上経過するとドライバーに警告する。
参照:手離し65秒で手動運転を義務化 初の安全基準、19年10月以降(共同通信)
 
いままでは「何秒間」手を離すと警告するかは、各メーカーにより差があったように思えるが、警告する機能というのは、レーンキープが普及した時点から各メーカーが導入していて、警告音やメーターの警告表示という手法がすでに採られている。また、ステアリングに添えていても、ドライバーの力がステアリングにある程度加わらないと車線維持機能がオフになるメーカーもある。
 
今回の新しい規定は、そのまま手放し運転を続けると、50秒後に車線維持機能がオフになり、手動運転に切り替わるというものだそうだ。今回の規定以前は、上記した最初の警告時点で大半のメーカーが手動運転に切り替わる制御としていた。
 
各メーカーによりまちまちだった時間が統一され、来たるべき自動運転時代に備えて世界的に法整備が進んだと考えていいだろう。
 

今、自動運転はどこまで進んだ?

なお、次期アウディA8が市販車世界初の「レベル3(自動運転の段階)」になり、作動条件下での自動運転中の責任は、ドライバーではなく車両が負うことになる。レベル3でもシステムがドライバーに運転操作を促す状態になると、ドライバーが運転できる状態のいわゆる「オーバーライド」する必要がある。
 
ボルボでは、レベル3では責任の所在が曖昧になる可能性があるということから、レベル2の現在から1段階飛ばしてレベル4を目指すとしている。 

全自動運転が可能なれば規定が変わる可能性も

今回の規定は、トータルすると、15秒+50秒の65秒になるわけだが、完全自動運転が可能なレベル4以降になれば、短いとなるだろうし、もっと長く規定が変わる可能性があるはず。
 
なお、レベル4に関しては、ホンダが2025年に目指すとしていて、一部報道によるとトヨタは2023年までの実現を目指すと、メーカーによって差はあるが早くても6年後の話だ。
 
自動運転中の車両から、ドライバーが操作と責任を負う「オーバーライド」が求められるレベル3までは、個人的には65秒は結構長く感じるが、いかがだろうか。
(文:塚田 勝弘)