画像提供:マイナビニュース

写真拡大

不動産の現物投資は投資金額が多く、土地を所有していて、それを担保にアパートなどを建てる場合と異なり、サラリーマンにはなかなかハードルが高いと思います。それでも金融商品などは実態や市場動向をつかみにくいのと比較して、不動産は自分で市場調査も可能で、物件の良し悪しがわかりやすいのが特徴です。

問題は、連載1回目「自宅用のワンルーム(1R)から始めよう」で述べたように、空室リスクに対処するために、できれば最低4世帯欲しいところですが、その分投資金額が高くなります。投資金額を少なくして、リスクの少ないアパートを経営するにはどうすればよいでしょうか。

○友人との共同経営のすすめ

不動産投資がしたい若い世代は、少なくないでしょう。そうした方々の選択肢のひとつとして、友人との共同経営があります。

友人ともども現金を用意できるのであれば、共有名義で4世帯程度の中古アパートを購入するこで、空室リスクを少なくできます。

一人で購入するとなるとワンルームマンション程度しか購入できなくても、二人以上であれば中古アパートも身近になります。ワンルームマンションの場合は、万一空室になれば、100%空室となり、収入がゼロになります。しかし4室を共同経営の場合は、1室が空室になっても空室率は25%で済みます。現在満室の物件であれば当面は安心です。

双方ローンを借りるとなると、少し複雑になります。区分所有が可能な物件を共同で購入することになります。例えば4世帯の物件を2世帯ずつ購入し、そのまま区分所有している住戸のみを運用すると、1室空室になっただけで収入は半減し、ローンの返済が負担になります。それぞれの所有物件を提供し、共同で運用する方策を考える必要があります。そうすれば1室が空室になっても上記の通り、それぞれ1/4の収入減で済みます。

もちろん友人ではなく、兄弟や親と共同で購入するケースの方が一般的でしょう。アパート経営は空室リスクをより少なくするためには、戸数を一定程度確保するのが得策ですが、最初の1棟が軌道に乗り、2棟目、3棟目と増やしていく段階で、共有名義を解消しそれぞれ建物別に1棟まるごと所有に切り替える方が後々のトラブルを少なくできます。

○併用住宅に住む

現在賃貸住宅住まいである場合は、購入したアパートの1室に住むという方法もあります。収益はその分少なくなり、空室リスクも高まりますが、いずれローンの返済が終了すれば、自分のものになるので、家賃を払い続けるよりは有利です。自宅部分が1/2以上の賃貸併用住宅であれば、収益部分にも住宅ローンを使えます。収益物件のためのローンよりも自宅のための住宅ローンの方が金利面で有利です。ただし、友人と共同経営の場合は、よほど特別な物件(賃貸併用住宅の連棟など)でもない限り難しいかもしれません。

○還元利回りとは

共同で購入と言っても投資金額は少なくありませんので、双方の投資やリターンに対する考え方が合致していないとトラブルのもとです。投資先は不動産とは限らず、金融商品等いろいろあります。期待する利回りが得られる投資先や安全度などを考慮して、投資先を決定すると思います。不動産投資で期待する利回りを確保するためには、購入価格はどの程度のものを買えばよいかを考えるのが還元利回りという考え方です。該当する価格の物件がなければ、期待利回りを下げるか別の投資対象を変えることになります。それと同時に、その利回りの確実性も問題になります。当面の利回りが高い投資先でも、それが安定して確保できるかどうかか問題となります。

不動産には空室リスクやその他のリスクもあります。金融商品にも元本割れのリスクもあります。それらを加味して投資先を考えなければなりません。共同で購入する場合は単独で購入するよりも、より理詰めで確認しておく方が、後々のトラブル防止になります。また、どちらかが換金の必要性が発生した場合の対応も、最初に話し合っておくとよいでしょう。立地の良い優良物件であれば、売却損があったとしても少なくて済みます。サラリーマンの不動産投資は副収入です。ローン返済中も利益が出れば、使わずにプールし、次の物件の購入資金や、万一相手が換金する場合、権利を買い取ったり、売却した資金に加えて新たに物件を購入したりするために役立てましょう。

サラリーマンが資産を形成するための投資は、長い目で見た蓄財と考えてください。利益が出ても当面の消費に使ったりせず、次の投資の準備金として蓄え、より多くの蓄財やリスク回避を目指すか、老後のための資金等、長い目で考えることが大切です。サラリーマンとしての収入からも多少は貯蓄できるはずです。「友人と共同経営」は難しい面も多くあるでしょう。そう簡単ではないはずです。しかし、いずれの時代も若い世代は自分に力をつけ、将来のリスクに備える年代です。若い時からブランド物を買ったりするのは日本だけの傾向です。消費にどっぷりつかっていては、資産形成は遠くなるばかりです。困難があっても何とかクリアして、共同で何かを働きかけ、より多くの収入を確保していくのは、これからの時代、もっと考えてもよいのではと思います。

<著者プロフィール>

佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。

※画像と本文は関係ありません