セクハラ被害に「私も!」怒りのタグ#MeTooが世界に拡散 [The New York Times]

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ハリウッド女優のツイッターをきっかけに、SNSを駆使してセクハラに抗議の声を上げる運動が巻き起こっている。ハッシュタグ#MeTooは24時間で50万件以上を拡散。もう黙ってはいない女性たちの怒りは社会を変えられるのだろうか?(以下、2017年10月16日付ニューヨーク・タイムズ記事の抄訳)

さまざま業種の女性が猛烈抗議

ついに業界追放となったハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインだが、地位や権力を利用して女性にセクハラやパワハラをはたらくセレブ男性は今に始まったことではない。

2015年から数えても、FOXニュースの初代CEOの故ロジャー・エイルズ、TV番組の人気司会者ビル・オライリー、コメディアンで俳優のビル・コスビーら、多くの業界の大物が複数の女性から性的嫌がらせやレイプで訴えられ、社会的信用と名声を失い、番組を降板するなど経済的にも制裁を受けている。

ただ、今回のワインスタイン事件に関しては、非難の声はこれまでになく大きく、熱がこもったものとなっているようだ。ワインスタインの行状を告発した被害女性のなかに、アンジェリーナ・ジョリーやアシュレイ・ジャッド、グウィネス・パルトロウといった有名女優が含まれているのも一因だろう。

「この事件は大きな分岐点になると思う」。パラマウント・ピクチャーズの社長を務めたことがあり、経済誌『フォーブス』の「最も影響力のある女性」にもしばしば選ばれているゲイル・バーマン氏は語ったが、その予測がどうやら現実味を帯びてきた。

10月15日(日)、女優のアリッサ・ミラノが「もし、あなたがセクハラやパワハラを受けたことがあるなら"me too(私もよ)"と書いてリプしてちょうだい」と呼びかけたツイッターが大反響を呼び、Facebook、インスタグラム、ツイッターには、ハッシュタグ#MeTooを付けた女性からのメッセージで溢れかえったのである。

If you've been sexually harassed or assaulted write 'me too' as a reply to this tweet. pic.twitter.com/k2oeCiUf9n

- Alyssa Milano (@Alyssa_Milano) 2017年10月15日

一例では、Facebookの写真共有アプリMomentsで#MeTooキャンペーンがハイライトされ、ありとあらゆる業種で働く女性からの#MeTooタグづけメッセージは、最初の24時間で50万件を突破した。そこにはレディー・ガガや『X-MEN』シリーズの女優アンナ・パキンからの声も寄せられている。

史上初の女性のアカデミー監督賞受賞者であるキャスリン・ビグローも、「女性が受けている実態を広く明らかにする行動が、メディアを牛耳るボスたちの隠蔽工作に初めて先んじた」と、こうした動きを賞賛し歓迎している。

ワインスタインのセクハラ告発の発端はもとはといえば、1年以上も前、芸能ゴシップ番組『アクセス・ハリウッド』が撮影した、当時は大統領候補だったトランプ氏の、「(女になんて)やりたいことは何でもできる」とうそぶく卑猥な会話ビデオを、ワシントンポストがすっぱ抜いた直後にまでさかのぼる。

つまり問題は、この一件を機にハリウッドが悪しき風習を変えられるのかという点にある。被害者は報復や仕事を失うことを恐れて口をつぐみ、弁護士や企業に守られた業界の権力者たちが恥ずべき行為を大手を振って行っても、周囲は見て見ぬふりをする、そんな時代にピリオドを打つきっかけとなるのだろうか。

© 2017 The New York Times News Service
[原文:Harvey Weinstein's Fall Opens the Floodgates in Hollywood/執筆:Jim Rutenberg, Rachel Abrams and Melena Ryzik]
(抄訳:十河亜矢子)