新型「日産リーフ」にも採用されているブリヂストンの「ECOPIA」シリーズ。(写真: ブリヂストンの発表資料より)

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 ブリヂストンは「東京モーターショー 2017」にて、小平市の技術センターに300億円を投資し、イノベーションを加速させると発表。敷地内には、アイデアを素早く形にして検証できるラボや試作施設、テストコースを設ける。2018年12月から新施設の建設工事を開始し、2020年の完成を予定しているという。

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■研究開発(R&D)は企業に不可欠だが…

 現在、世界ではEV(電気自動車)やAI(自動運転)に関する新しい技術が次々と開発されており、各社研究開発には余念がないと思われる。我先にと先進的な技術を世に出し認められなければ、競争力を失い、収益を稼ぐことができなくなり、存続が危ぶまれる。

 日本経済新聞社による2017年度「研究開発活動に関する調査」でも、主要企業の約4割が過去最高の研究開発費を投じることがわかった。その総額は16年度比で5.7%増。その首位であるトヨタも1兆500億円を投じるという。いかに競争が激しいかがわかる。

 研究開発は、そもそも「将来」自社が優位に発展するための活動であるが、その時間軸が縮まってきているのではないだろうか。ブリヂストンも、技術センターで生み出されたものを「短期間」で具現化することに力を注ぐようである。

 ここで思い出したいのがタカタの例である。瞬時にふくらませるための火薬を使用するエアバッグだが、使用される化学物質の経年劣化という「品質の概念」が欠落していた。研究開発の効率化を図る中でも、この概念の欠落を防ぎたいものである。昨今の神戸製鋼、日産自動車の不正に関して、品質が企業経営に及ぼす影響については皆が思い知ることとなっているのだから、肝に銘じたいところだ。ファイナンス的な知識だけでは企業経営は成り立たない。

■ブリヂストンの技術がEV・AIに必須

 その歴史は古く、1930年の日本足袋株式会社のタイヤ部門から、世界最大手になったブリジストン。

 現在でも、EVやAIに必要なイノベーションを次々と生み出している。特に、BMW i3に採用された幅が狭くて大径の次世代低燃費タイヤ「ologic(オロジック)」は、細く軽いために転がり抵抗が少なく理にかなっており、燃費が良くなる。他にも、タイヤにセンサーを埋め込んで路面の状態を判定する技術「CAIS(カイズ)」、空気の充填が不要なタイヤ「エアフリーコンセプト」などもある。

 ブリジストンの創業者が掲げた社是は「最高の品質で社会に貢献」。一層そのブランドに磨きをかけてほしいものである。