「ここからは対等!」車いすダンスの世界に魅せられた主婦、驚きの行動に

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毎週土曜日朝8時から放送しているニッポン放送『八木亜希子LOVE&MELODY』。

10時からは『10時のグッとストーリー』として、番組が取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしています。

今日は『車いすダンス』に魅せられ、地元で普及させようと協会を設立。新たなスタイルを考案した主婦の、グッとストーリーをご紹介します。

出典:仙台市障害者スポーツ協会Facebookより

車いすに乗った障がい者と健常者がペアを組み、手を取り合って社交ダンスを踊る『車いすダンス』。

障がい者スポーツのアジア大会で正式種目に採用されるなど、将来のパラリンピック種目の候補としていま注目されています。通常は2人1組で踊りますが、車いすを自由に操るのが難しい人でも踊れるように、もう1人、後ろから車いすを動かす健常者が加わり、3人1組で踊るスタイルが考案されました。通称『宮城・仙台方式』。

その発案者が、NPO法人・宮城県車いすダンス協会の理事長を務める、健常者の小野寺サエ子(おのでら・さえこ)さんです。

「車いすを操作しなくていいので、握力の弱い高齢者の方や、障がいの重い方…どんな方でも踊ることができます。表情だけで演技する方もいらっしゃいますよ」。

大会の時は、通常の社交ダンスと同様、男性は蝶ネクタイ姿、女性はきらびやかな衣裳を着て踊ります。

「施設にいる高齢者の方も、衣裳を着て踊ると、表情がガラッと変わります。普段は元気のない方も、車いすで踊っている時は、顔が生き生きとしてきますね」。

出典:仙台市障害者スポーツ協会Facebookより

小野寺さんは40代半ばのころ、子育てが一段落したのをきっかけに、社交ダンスを始めました。

「初めて踊った時『こんな楽しいものがあるんだ!』と感動して、この楽しさをみんなに伝えたい、と思ったんです」。また、大学で教員をやっていたご主人から、ボランティア学生の話を聞かされ、常々、自分も何か社会貢献をしたいと考えていた小野寺さん。

ある日、知人から「東京で、車いすダンスの講習会が行われる」という情報を耳にします。

会場で目にした驚きの光景とは

会場へ行ってみると、交通事故で両足と片腕をなくした女性が、唯一残った片手を健常者とつなぎ、笑顔で踊っていました。その姿を見て「どんな人でもダンスができるんだ…」と感銘を受けた小野寺さんは「私も、宮城で車いすダンスを普及させよう!」と決心。

1993年、5人ほどのメンバーで、宮城県車いすダンス協会を立ち上げました。

出典:宮城県車いすダンス協会

車いすダンスの基本的な技術は、東京で行われる講習会に通って覚え、それを宮城に帰って、みんなに伝えていった小野寺さん。地道な活動を続け、現在、登録人数は40人以上に達しました。

初期から参加しているひとりが、丹野泰子(たんの・たいこ)さん。中学生の時、突然病(やまい)に襲われ、だんだん歩くのが困難になり、やがて車いす生活に…。その丹野さんが、講習会に来て初めて語った言葉が、小野寺さんはいまも忘れられません。

「この会場へ来るまでは、私は人のお世話にならないといけない場合があるので、小さくなってます。でも、ドアを開けて入ったら、対等ですから!」

ダンスをしている時は、自分も表現者として、健常者のダンサーとは対等の関係だ、という丹野さんの言葉に、ハッとさせられた小野寺さん。もっと障がい者が前面に出る機会を作ろうと、仙台名物・七夕まつりのパレードに参加、車いすダンスを披露することを思い立ちます。

小野寺さんは主催者と交渉し、宮城県車いすダンス協会は11年間にわたってパレードに参加。沿道の人たちから大きな反響を呼び、車いすダンサーも、これまでにない充実感を味わいました。

しかし2011年3月、東日本大震災が発生。地元が大きな被害を受ける中、小野寺さんは協会の運営方針を転換。活動の中心を、高齢者がいる施設への指導員派遣に変えました。

「3.11以降、世の中が大きく変わりました。こういう時こそ、自由に歩けなくなったお年寄りに車いすダンスを教えて、また元気になってもらおうと思ったんです」

出典:仙台市障害者スポーツ協会Facebook

小野寺さんは震災以後、参加を取り止めた七夕パレードの代わりに、2015年から新たなイベント『車いすダンススポーツフェスティバル』を開催。3回目を迎えた今年は、10月1日、仙台市の福祉施設で行われ、35組・80名が参加。衣裳を身にまとい、車いすで楽しそうに踊るお年寄りや障がい者ダンサーに、会場を埋めた観客から、大きな拍手が贈られました。

一般の競技会と違って、順位を付けないのがこのイベントの特徴です。出場者には『顔の表情が豊かで賞』『三人の息がピッタリだったで賞』など、ユニークな賞が贈られました。

「ダンスをすると、皆さん笑顔になるんです。車いすダンスを通じて、障がいを持っていても胸を張って、前向きに生きている人がたくさんいることを知ってほしいですね」。

出典:仙台市障害者スポーツ協会Facebook

【10時のグッとストーリー】
八木亜希子 LOVE&MELODY 2017年10月28日(土) より

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※ 2017年11月5日 午前5時までお聴きいただけます。
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[提供/ニッポン放送 八木亜希子LOVE & MELODY ・構成/grape編集部]