中国から学びたければ中国語で?

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 とある奇妙な風景が、中国のSNSを賑わわせた。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

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 大きなイベントともなれば何かと閲兵式をしたがる習近平の中国で、もう軍人が行進する姿は見慣れてしまった。しかし、大音量で流れる『解放軍進行曲(行進曲)』の下で仰々しく行進する人々が、どう見ても中東・アラブの人々であるとしたら、それはちょっとしたニュースである。

 10月上旬、中国のメディアが五月雨式に取り上げたのは、ウェイボー(中国版ツイッター)で話題となっていた「カタールの閲兵」の様子を映した動画であった。

 動画のなかで行進曲に合わせて手と足を大きく振り上げて行進しているのは、当然のことみなカタールの警察の制服を着たカタール人である。それだけでも違和感を覚えるのだが、彼らが使っている掛け声にさらに驚かされる。

「向右看」
「一、二(イー、アール)、一、二」

 中国語で号令をかけているのだ。いったいこれはどういうことなのか。

 実は、カタールの警察学院のモハンマド院長がテレビで中国人民解放軍の閲兵式を観て感動し、これを「我が校でも是非」となったというのだ。

 2017年3月、中国から招へいされた教官が現地で14名を育成することに。それにしても何で中国語で号令をかける必要があるのか。

 中国メディアで紹介された中国人教官のコメントによれば、「中国から学びたければ中国語で」という方針だったようだ。ただ、逆に現地の言葉で訓練してくれといわれても、そんな人材もいなかったはずである。