独ベルリンで、エジプト人医師のムハンマド・ヘルミ氏に贈られた「諸国民の中の正義の人」賞の授与式に出席し、同氏の肖像写真の横で写真撮影に応じる、孫息子のナセル・コトビ氏(2017年10月26日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】イスラエルのホロコースト追悼記念館は26日、第2次世界大戦(World War II)中に自らの命を賭してユダヤ人を救ったとして、アラブ系の人物では初めて、既に他界しているエジプト人医師を「諸国民の中の正義の人(Righteous Among the Nations)」として顕彰した。

 26日にドイツの首都ベルリンで行われた授与式でメダルと表彰状が贈られたのは、1982年にベルリンで死去したエジプト人医師のムハンマド・ヘルミ(Mohammed Helmy)氏。ヘルミ氏のきょうだいの孫息子に当たる、同じく医師のナセル・コトビ(Nasser Kotby)氏に手渡された。

 アラブ系として初となるヘルミ氏への表彰は、2013年に決まっていたが、エルサレムにあるホロコースト追悼記念館「ヤド・バシェム(Yad Vashem)」は、ヘルミ氏の親族と連絡がつかないとしていた。

 ヘルム氏の親族が当初、イスラエルとの関係性を理由に同賞を拒否していたという報道もあったが、イスラエル人映画制作者タリヤ・フィンケル(Taliya Finkel)氏の尽力で、今回の授与が実現した。

 フィンケル氏は、ナチス・ドイツ(Nazi)下のベルリンでユダヤ人を救ったヘルミ氏の物語を映画にしたいと考え、この作品がコトビ氏との橋渡しになったという。

 ヘルミ氏は第2次世界大戦中、若いユダヤ人女性アンナ・ボロス(Anna Boros)さんを自身が所有する家屋にかくまったり、ボロスさんの両親に治療を施したりしたという。

 イスラエルとエジプトの関係は、イスラエルによるパレスチナ政策が原因でぎくしゃくしたままとなっているが、フィンケル氏の話では「コトビ氏は父親のような存在だったというヘルミ氏を敬愛」しており、フィンケル氏の映画制作に協力してくれることになった。コトビ氏が同賞を受け取る姿が、映画のフィナーレを飾るという。
【翻訳編集】AFPBB News