バングラデシュ・コックスバザール県ウキヤにあるクトゥパロン難民キャンプで、劇団「ドラマ・セラピー」のパフォーマンスを見るロヒンギャ難民の子どもたち(2017年10月28日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ピエロがジャグリングや宙返りをすると、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の子どもたちはキャッキャッと歓声を上げた。ピエロたちのおどけたしぐさによって、世界最大規模の難民キャンプではめったに聞かれることのない音が響く──子どもたちの笑い声だ。

 劇団「ドラマ・セラピー(Drama Therapy)」のピエロたちは、難民がすし詰めで暮らすバングラデシュのキャンプに軽い空気をもたらしている。厳しい環境の下、心に傷を負ったロヒンギャの子どもたちが大勢暮らすキャンプで、とにかく必要とされているものだ。

 モハンマド・ヌール(Mohammad Noor)さん(10)は国境の町コックスバザール(Cox's Bazar)に近いクトゥパロン(Kutupalong)の難民キャンプの仮設小屋で、母親と3人のきょうだいとともに暮らしている。クトゥパロンでは食料や水が不足しており、常に生きることに必死だ。

 モハンマドさんは、国連(UN)が「民族浄化」と呼ぶミャンマー軍の弾圧により父親が殺された後、先月ミャンマーから逃れてきた。

 4人組のピエロが集まった大観衆を前に寸劇を披露する中、モハンマドさんはAFPに「本当に面白い。こんなの見たことない。友達も僕もずっと笑いっぱなしだよ」と話した。

 ピエロのうち唯一の女性メンバーでベテラン曲芸師のリナ・アクテル・プトゥル(Rina Akter Putul)さんはこう話す。「ロヒンギャのみんなに笑いをもたらすことが、私たちのたった一つの目的です」
【翻訳編集】AFPBB News