パリで働く植物療法士が指南! ハーブの力をセルフケアに活かす方法

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以前、私がパリに住んでいた頃、お腹の不調が何日も続き困っていたら、知り合いのマダムがハーブをおすすめしてくれました。この時、すぐに薬に頼らないフランス式のハーブ活用法を教えてもらい、気持ち的にも安心したのを覚えています。
フランスには「Herboristerie(エルボリストリ)」というハーブ・薬草店があり、家族でお世話になっているお抱えのお店があって、不調を感じたら、まずはエルボリストリに相談にいくという人も多いんです。そんな頼りになるエルボリストリですが、やはり言葉が通じないとなかなかハードルが高い。でも、日本人観光客にも親しみあるオペラ座近く、パリ1区にある「Herboristerie du Palais Royal(エルボリストリ デュ パレロワイヤル)」には、親身になって相談に乗ってくれる日本人スタッフがいると聞いて、実際に訪れてきました。
パリの老舗薬草店で活躍する日本人スタッフ
店内にはハーブはもちろん、化粧水、精油、植物のサプリメントなどがぎっしり! ここにいるのが、日本で薬剤師として働いていた、うめやかおりさん。「薬を扱う仕事を通して、さらに自身に起きた不調もきっかけとなり、すぐに薬に頼るのではなく何か楽しく心地よくできるセルフケアを求めていたところ、フランスのアロマテラピーに出会い、そこからだんだんフランスに興味を持ちはじめました」とうめやさん。その後、広く植物を使った「フィトテラピー(植物療法)」を勉強し、パリ第五大学の薬学部の植物療法講座を修了。現在、フランス植物療法士として、このお店で働いています。

まず、お仕事を見て驚いたのは、丁寧なカウンセリング。お客さんの症状をじっくり聞いて、その人に合ったハーブなどを提案していきます。実際に私も日頃から悩んでいるアレルギーの症状を相談したら、カウンセリングを通してすぐにハーブとハーブをアルコールで抽出したチンキ剤などをおすすめしてくれて、そのスピーディーさと知識の豊富さに圧倒。さらに、飲み方なども丁寧にメモにして渡してくれたので、日本に帰ったらすぐに実践できるのも嬉しい。うめやさんがフランス人のお客さんたちからも圧倒的な信頼を得ているのが、彼女の働く姿を見てよくわかりました。
料理にスキンケアに......伝統的な植物療法を生活に取り入れる
――うめやさんが行っている植物療法は、フランスではどのような存在なのでしょうか?
「植物療法=フィトテラピー(Phytothérapie)」という言葉は、フランスで一般的に広く知られている言葉かというと、そうではありません。どちらかというと医師や薬剤師などが専門的に行うものです。ただ、古くからのエルボリストリの存在や西洋の伝統的なハーブ・薬草を用いた療法が、健康志向の上昇とともに見直されてきています。そしてその評判が評判を呼んで、植物療法という言葉が知れ渡って来ているのも事実です。ハーブティーというと、リラックスするための飲み物を想像される方もいらっしゃるかと思います。植物療法では、植物を体の状態に応じて選び、臓器・器官のメンテナンスをし、乱れてしまった機能やバランスを整えるよう働きかけることで、健康を保つというのが主な目的です。
フランスでは体調不良の際、薬を飲む前にまず体の状態を見直して、ケアをしたい方がアドバイスを求めてエルボリストリにいらっしゃいます。家族、友人のために相談に来る方もいます。時には医療と併行することもあったりと、本当に植物療法の取り入れ方は十人十色です。
特に私の働く「Herboristerie du Palais Royal」では、昔から続く植物療法も受け継ぎつつ、様々なエビデンスをもとにした現代的植物療法の一翼も担っています。