高性能プレミアムカーのために生まれたヨコハマADVAN dB v552の試乗は、テストコースから出て、一般道でのリアルなフィーリングも試すこともできた。クルマはプリウスPHEVで、ほぼ直線の片側1車線の道路と山のカーブが続くワインディングロードも走った。

ワインディングロードでコーナリング状態になるとしっかりしたグリップを感じることができるが、直線道路ではハンドルセンター付近の手応えが不足している感じもあった。

ハンドルが直進に戻る力が弱く、ドライバー自身が直進を保つようにしっかりと操舵しなくてはならない。ハンドル角が45度以上になれば戻る力も出てくるが、そこまで切らない直進や緩いカーブを曲がったあとに直進に戻るときにもタイヤとクルマが自力ではハンドルを直進まで戻ろうとしてくれないところが少し気になった。

これはタイヤだけの問題ではないが、電動パワステのクルマには小さい舵角でのセルフアライニングトルク(SAT)が大きいタイヤの方があっている。

高速周回路ではヴェルファイア、カムリ、メルセデスベンツE220d、レクサスLSに乗ることができた。ここではスピードを140km/hに制限されての走行だったが、各車それぞれの味が出ていた。

ヴェルファイアはハイスピードでもどっしりした安定感があった。ハンドルセンター付近のニュートラル感はやや広めに感じたが、悪くはない。速い操舵で大きめに切ると2段応答のような応答遅れの感じになるが、通常の走行では問題ない。

新しいカムリは一般道で乗ったプリウスよりニュートラル感が狭くなり良いのだが、ハイスピードで速く大きい操舵をするとやはり2段応答のような反応になる。こちらも通常の丁寧なハンドル操作なら問題はない。

メルセデスベンツE220dはセンターの遊び感が小さく他車ほど目立たない。2段応答のクセも、1段目と2段目のゲイン(応答の強さ)の差が小さいので悪くはない。ハイスピードでもしっかりしたグリップで安心感がある。

レクサスLSは走行モードをスポーツかスポーツプラスにして走るのが合っていた。ノーマルモードではサスペンションがソフトなのでバネ上の揺れが大きくなる。それだけタイヤのグリップが優っているとも言える。

ハイスピード走行では微小舵での応答性にややクセを感じるが、これは接地面形状の影響が出たのかもしれない。旧モデルに比べると横長のスクエア形状になったためにニュートラル付近の手応えが不足した可能性がある。これも乗り心地や静粛性、ウェット・ドライグリップを向上させるための手段だったようで、難しいチューニングの部分だ。

ADVAN dB v552はカタログで謳っているように静粛性はトップランクにあるし、乗り心地も当たりがまろやかでダンピングも良いので快適性も群を抜いている。グリップはウェット、ドライともに低燃費タイヤ、低騒音タイヤとは思えない強いグリップを持っているから、ショーファードリブンの社用車、ハイヤー、高級な送迎車などに履いていると快適で安心感が高いから嬉しいタイヤだ。

(菰田 潔)

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