時々ニュースで聞く「欧州連合(EU、ヨーロッパ連合)」という言葉。最近ではブレグジット(英国のEU脱退)が話題になっています。しかし、今回のテーマは難しい政治の話ではありません。

 

EUは1990年代から東方拡大を推進し、筆者が住むポーランドを含めて現在28kか国が加盟中。しかし、そんなEUにはあまりにもおかしな決まりがちらほらと存在します。その中からEU国民ですら首を傾げるしまう話を5つご紹介しましょう。

 

その1:カタツムリは魚である

カタツムリは地上を移動する軟体動物であり、魚でないことは誰もが知っていること。しかしEUの規則上、カタツムリは淡水魚として分類されます。カタツムリを淡水魚とすることで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

 

食用カタツムリは高級食材エスカルゴとして知られ、フランスのブルゴーニュ地方にある郷土料理の1つです。当然フランスでは大きなビジネスマーケットとなって存在するものの、エスカルゴ牧場はEUからの補助金が得られないために経済的損失を被っていました。

 

農産業や栽培漁業はEUから公的資金を投入してもらえるというのに、なぜエスカルゴ牧場はだめなのか。そこで出た解決策が、カタツムリを淡水魚と見なし補助金の対象とすることだったのです。

 

その2:デザートやスイーツになる野菜は果物である

エスカルゴ牧場の補助金問題と同じく、一部の野菜も「野菜」というカテゴリーであるばかりに問題を抱えていました。EUの取り決めに基づき、果物を原料とするジャムが補助金の対象になると定められていたからです。

 

発端は、ポルトガルがニンジンやスイートポテトからジャムを作っていたことにありました。野菜からもジャムが作れるというのに、なぜ野菜から作られたジャムには補助金が出ないのか。そうして議論しているうちに、ジャムやデザートの材料になりえる野菜はすべて書類上の果物となったのです。

 

その3:曲がったバナナを売ってはいけない

野菜や果物でおかしな規則といえば、バナナも有名。曲率までミリ単位で定め、基本的にバナナはまっすぐであるべきだというのです。しかも曲がったバナナだけでなく、曲がったキュウリや小さ過ぎる野菜、形が不揃いな野菜などは売れないという規則までありました。

 

実は、EU加盟国で売られるバナナはフランスの旧植民地から輸入されたものを基本としており、その地で生産されるバナナが曲がっていない種類だったため、そのような規則ができたのです。しかし、幸いにもこの規則は2009年に撤回されました。EU国民がこのような馬鹿げた決まりに縛られずに、やっと普通にバナナや野菜を買えるようになるには20年もかかったとのことです。

 

その4:長靴の使用方法を必ず説明しなければならない

欧州委員会は消費者のことを考え過ぎているのか、ときには「こんなものにまで?」という製品に説明書の添付を義務付けています。その1つが長靴。

 

EU加盟国で長靴を購入すると、もれなく10言語に翻訳された説明書が付いてくるのです。長靴をどのように使用、保管、手入れをするかなどの説明が細かく記されているのですが、本当に消費者がこれらの項目をすべて読んでいるのか多くの人たちが疑問に思っています。

 

その5:エコではないから「白熱電球」の販売を認めない

信じられないことに、EU加盟国では白熱電球の販売が禁じられています。その理由は単純に「エコではないから」という何とも理解しがたいもの。つまり、白熱電球など60w以上の電力を消費し、かつ小範囲しか照らさないものは環境に配慮していないため、照明器具として販売することができません。その代わりに、蛍光灯やLEDなどを照明として使えと言うのです。

 

しかし、実際にはEU加盟国で白熱電球を購入することは可能。白熱電球を売る企業がどんな抜け道を見つけたのかというと、それは白熱電球を「ミニ・ラジエーター(小型放熱器)」と名乗ることだったのです。そのため、白熱電球は一般家庭でもよく見られます。

これらのおかしな規則は、欧州委員会が定めた規定のほんの一部に過ぎません。一見、呆れてしまうほどバカバカしいのですが、このような大げさな配慮がヨーロッパの経済を支えている一方、EU国民の批判の対象にもなっています。ヨーロッパに住む者同士とはいえ、28か国を束ねるのは楽ではありません。