たばこの煙(2017年9月29日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】喫煙者に報奨金を与えて禁煙への意欲を高める方が、単に禁煙方法に関する助言を与えた場合に比べて禁煙の成功確率がはるかに高いとする米国の研究結果が30日、発表された。

 米医学誌「JAMAインターナル・メディシン(JAMA Internal Medicine)」の電子版に発表された研究論文によると、このアプローチは喫煙者数を削減する手段を提供する可能性があるという。米国の喫煙者数は近年、全人口の約5分の1で横ばい状態となっている。

 喫煙率は、貧困層の間でより高く、論文の参考資料によると、2015年の米国の喫煙率は貧困ライン未満の人口で26%だった。貧困ライン以上の人口では同14%だったという。

 米ボストン大学医学部(Boston University School of Medicine)などの研究チームは、被験者352人を対象とする無作為化臨床試験を米マサチューセッツ(Massachusetts)州ボストン(Boston)で実施した。

 被験者は病院の待合室で募集した。臨床試験に参加した被験者は、全員がたばこを1日に10本以上を吸う喫煙者で禁煙を希望していた。多くはアフリカ系米国人の女性だった。

 被験者の一部には、禁煙を助けるために利用できる小冊子と地域の支援サービスのリストを与えた。

 残りの被験者には、同じ資料を与えるとともに、「患者ナビゲーター」による禁煙方法に関するカウンセリングセッションを受講させ、禁煙に成功すれば現金を受け取ることができると伝えた。

 被験者らは、期間1年間の臨床試験への参加時、禁煙に対する報奨金の金額については教えられなかった。

 試験期間が半ばを過ぎた時点で、禁煙に成功していた被験者には250ドル(約2万8000円)を支給し、12か月経過時点で喫煙していなければさらに500ドル(約5万6000円)支給すると伝えた。

 試験開始後6か月までに禁煙に成功した被験者の割合は、報奨金グループが10%近くだったのに対し、小冊子だけ与えたグループは1%足らずだった。開始後6か月までに禁煙できなかった被験者には、報奨金への挑戦を続けるチャンスを与えた。

「12か月後、介入グループの12%が禁煙に成功した一方、対照グループの禁煙成功率は2%だった」と、論文は述べている。

 喫煙者が本当に禁煙したかどうかは、尿と唾液の検査で確認した。

 論文の共同執筆者で、ボストン大学医学部のカレン・ラッサー(Karen Lasser)准教授(医学)は、「禁煙した被験者の大半が患者ナビゲーターによるサポートを利用したが、今回観察された禁煙率をナビゲーターの利用だけで達成できたかどうかは不明だ」と述べ、報奨金制度を採用する多面的なアプローチが最も効果的に機能することを、今回の結果は示していると指摘した。
【翻訳編集】AFPBB News