かつては蜜月関係と呼んでも差し支えないほど中国と韓国の関係は良好だった。韓国を訪れる中国人旅行客の数も増加の一途を辿り、韓国国内の免税店は多額のお金を落とす中国人で溢れかえっていた。(イメージ写真提供:(c)wachira/123RF)

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 かつては蜜月関係と呼んでも差し支えないほど中国と韓国の関係は良好だった。韓国を訪れる中国人旅行客の数も増加の一途を辿り、韓国国内の免税店は多額のお金を落とす中国人で溢れかえっていた。

 だが、韓国が終末高高度防衛ミサイル「THAAD(サード)」の配備を決めたことをきっかけに中韓関係は急速に冷え込み、韓国を訪れる中国人旅行客もめっきり減ってしまった。

 10月1日の国慶節(建国記念日)に絡む大型連休は多くの中国人が国外に旅行に出かけるのが恒例だが、今年は人気の渡航先に韓国の名前が上がらなかった。中国人インバウンドの冷え込みに対し、韓国では危機感を募らせる声が高まっている。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、中国人の間で韓国旅行の人気が低迷していることに、韓国では焦りの報道が増えていると伝えつつ、訪韓中国人客の激減に「韓国の旅行業界は対応することができていない」と論じた。

 記事は、2016年に韓国を訪れた中国人旅行客の数は826万人を超え、訪韓外国人全体の半分以上を占めたと伝える一方、THAAD問題をきっかけに激減した中国人旅行客の足取りは今も戻っていないと指摘。中国旅游研究院がまとめた国慶節の連休中の人気渡航先ランキングでは、タイや日本、シンガポールなどが人気を集めたと紹介する一方、16年のランキングでは上位に名を連ねていた韓国は今年、ランキングから名が消えてしまったと指摘した。

 また、中国国家旅游局数据中心がまとめた予測では、17年の訪韓中国人客の数は前年比7割減となる見通しだと伝え、現時点で韓国を訪れる中国人は個人ビザでの訪韓ばかりで、団体ツアーでの訪韓は「基本的にゼロ」であると指摘した。

 こうした現状に対し、韓国国内では「国慶節期間中に中国人が海外で消費した金額は1人あたり9800元(約16万7800円)に達したというのに、韓国は中国人の消費という恩恵をほとんど得られなかった」といった恨みの声があがったと紹介。中国人旅行客による消費で潤っていた免税店でも売り上げが減少しており、減少した中国人の穴を埋めることもできておらず、「韓国の旅行業界は訪韓中国人客の激減に対応することができていない」と伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(c)wachira/123RF)