虎視眈々と首相の座を狙う小泉進次郎氏

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 霞が関の若手官僚たちが1人の若手政治家を“促成栽培”している。総選挙で安倍首相以上の動員力を見せつけ、「自民党の新しい顔」となった小泉進次郎・筆頭副幹事長だ。

 進次郎氏を囲む勉強会ではとくにこの数か月、熱気あふれる議論が交わされてきた。「進次郎内閣」の政権構想をつくるためのブレーンストーミングである。この動きに神経を尖らせて情報収集している内閣官房の官僚が語る。

「進次郎は1年ほど前から将来の首相の座を意識して官僚を集めた勉強会を立ちあげている。先行しているのは財務省の中堅官僚グループで、超高齢化社会をテーマに進次郎政権の柱となる政策づくりをしてきた。

 それに対抗しているのが経産省の若手女性キャリアを中心とする勉強会。高齢化社会の産業構造や自動運転技術などの無人化社会、移民政策など分野ごとに各省の若手に積極的に声をかけて参加者が増えている。最近では進次郎も同じ年代の官僚が多いこっちの勉強会が気に入って、“経済が停滞する時代にはどんなメッセージが共感を得るのか?”など、質問も多いと聞いている」

 官僚の指導は政治家としての立ち居振る舞いにも及ぶ。その振り付け指導は勉強会が立ち上がった昨年から始まった。

 進次郎氏が地元・横須賀にある防衛大学校の開校記念祭(昨年11月)に当時の稲田朋美・防衛相とともに出席したときのことだ。

「このとき、ブレーンの官僚たちは進次郎に“稲田と並んで歩くときは半歩でもいいから前を行くこと”を強くアドバイスしていた。メディアは総理のお気に入りだった稲田大臣を中心にカメラを回すから、決して後ろに従う姿を見せずに、前を行く構図で報道されることが総理・総裁候補として有利な位取りにつながるという判断です」(同前)

 驚くのは、安倍首相に対しても、その「位取り」を意識していることだ。応援演説ではアベノミクスの成果といった政策には一切言及せず、「社会保障の負担を次の世代に残すべきではない」と持論を展開。“オレは安倍さんとは政策が違う”とアピールし、

「安倍総理だっていつまでも総理じゃない」

 と、巧みな弁舌で聴衆を笑わせる。

 かと思うと、街頭演説で枝野幸男・立憲民主党代表とぶつかれば、10分間、沈黙して演説を“拝聴”してみせる。どんな行動をとれば自分の価値を高く見せることができるかをしたたかに計算している。すぐにキレてしまう安倍首相には真似できない芸当だ。

 官僚たちに“総理大臣養成ギプス”をつけられて訓練を受けてきた進次郎氏は、総理・総裁候補としての存在感をどんどん増し、いまや間違いなく「総理が最も恐れる男」となった。

※週刊ポスト2017年11月10日号