日本にも民族衣装として和服があるように、ドイツにも民族衣装があり、その一部は現在でも特別な行事などの際に着用されています。

ドイツの民族衣装と聞いて、オクトーバーフェストでビール売りの女性が着ている衣装を想像する方も多いかもしれません。この衣装は「ディアンドル」というもので、南ドイツやオーストリアにあるチロル地方の伝統衣装です。

ドイツにはこの他にも地域ごとに様々な伝統衣装が発達してきましたが、その中でも黒い森では町ごとにそのバラエティーが豊富。そんな民族衣装が一堂に集められているのが、ハスラッハという旧市街の美しい町にある「黒い森民族衣装博物館(Schwarzwälder Trachtenmuseum)」です。

博物館は町のツーリストインフォメーションと一緒になっています。建物は「カプチーナ修道院」という古い修道院を改装した物。ここは民族衣装の博物館ですが、建物からは修道士たちが暮らしていた当時の面影も伺い知ることができます。

博物館で訪問者がまず目にするのは、この地方の民族衣装を地域ごとに示したこのパネル。黒い森の中だけでもこんなに様々な種類の衣装があるのには驚きです。

展示されている民族衣装はなんと100種類以上。全てがオリジナルで、マネキンが着用する事によってその場の雰囲気がよりリアルに伝わってきます。

こちらは堅信式や結婚式などの際に少女や花嫁が被っていたものです。中世に宮廷で女性が身につけていた被り物に由来していると言われています。

展示品の中には女性の被り物が数多くあるほか、女性のマネキンはほぼすべてが何かしら頭に被っています。かつて女性は公の場で自身の髪を隠さなければならず、これらの被り物はそのような時代の影響を強く受けているのです。

写真の中央にいる女性のマネキンが着用しているのは、この博物館があるハスラッハの町で着られていた民族衣装の1つです。金色の被り物が印象的ですね。

日常で着用されていた服装も展示されています。こうした日常の服も地域によって細部の違いがあるのです。

またここでは、黒い森に伝わるカーニバル衣装も見ることができます。どの衣装もどことなく恐い雰囲気が漂っていて、小さい子ならすぐに泣き出してしまいそうです。

ドイツの黒い森に伝わる数多くの民族衣装が揃う「黒い森民族衣装博物館」。様々な衣装やそれらの生い立ち、意味を知る事で、ドイツの新たな一面を知ることができるでしょう。

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