グリコ千葉アイスクリームは旧グリコ乳業の衛生管理や異物混入対応策を取り入れた

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大人向け開拓
 江崎グリコが1974年に発売したフローズンアイスクリーム「パピコ」は、アイスのロングセラー商品の代表格だ。グリコ千葉アイスクリーム(千葉県野田市)は今年2月に設備を増強し、グリコグループの中でも最新鋭設備を持つ工場と位置づけられる。

 パピコのふんわりなめらかな食感を支えるのは、冷やす作業にある。原料となるアイスクリームミックスを約4度Cに下げて寝かせる。その後、フリーザーでアイスクリームミックスに空気を混ぜ合わせ、冷えたタンク内で撹拌。初期のパピコはこの作業をしていなかったため、氷のような食感だった。食感を変えることで、大人向け市場の開拓も狙っている。

 さらにカギとなるのが、急凍工程だ。らせん上にパピコを移動させ冷凍する「スパイラル急凍」を設備に採用。らせん状にすることで、急凍設備の設置面積を従来比43%減の52平方メートルと小さくした。

 温度をマイナス3度Cからマイナス10度Cまで下げ、35分かけて設備の上から下へとパピコを回しながら冷凍していく。グリコ千葉アイスクリームの臼井選(えらぶ)社長は、「短時間で冷やすほど結晶が小さくなり、舌触りがなめらかになる」と説明。おいしさと省スペース化を両立する一石二鳥を狙った。

衛生管理も徹底
 衛生管理にも力を入れる。15年に江崎グリコと、乳製品の製造・販売を手がけていた旧グリコ乳業が合併し、旧グリコ乳業の厳格な菌類に関する品質管理ノウハウを得た。生産現場に入る直前に長靴へと履き替えるなど、異物混入への徹底した対応策を踏襲した。

 拡張した工場の稼働に合わせ、従業員はICチップ入りの作業服を導入。臼井社長は「誰がどの時間に現場へ入っているかがわかる」と話す。設備面では配管をつなげる際に劣化を避けるためパッキンを使用せず、溶接するなどの工夫を施す。子どもに加え、大人にもおいしさを届けるため、多様な取り組みを日々進めている。
(文=大阪・石宮由紀子)