By Tomasz Stasiuk

ハロウィンといえば、子どもたちが仮装して近所の家を周り、「トリックオアトリート(お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ)」と言ってお菓子をたくさんもらうイベントです。そんなハロウィンに関するウワサとして、アメリカでは「ハロウィンのお菓子には毒が混ざっている」というものが広まっているそうで、なぜそのようなウワサが登場することになったのかをSmithsonianが解き明かしています。

Wher Did the Fear of Poisoned Halloween Candy Come From? | smithsonianmag.com | Smithsonian

https://www.smithsonianmag.com/smithsonianmag/where-did-the-fear-of-poisoned-halloween-candy-come-from-822302/

1983年10月31日、「Dear Abby」のコラムニストとして知られるアビゲイル・バン・ビューレンさんが、「A Night of Treats, not Tricks(おもてなしの夜、イタズラではなく)」というハロウィンを題材にしたコラムを掲載しました。コラムを通してビューレンさんは、「誰かの子どもが毒の入ったキャンディーを食べて病気になったり、カッターの刃が入ったリンゴを食べて死んだりしてしまう可能性がハロウィンにはある」ということを読者に覚えておいてほしかったそうです。

それから12年後、コラムニストのアン・ランダーズさんが、ビューレンさんと同じようにハロウィン潜む危険性を訴えるコラム「Twisted minds make Halloween a dangerous time(ねじれた心がハロウィンを危険にする)」を公開しました。このコラムの中でランダーズさんは、「最近、ねじれた心を持つ人がかみそりの刃や毒を、リンゴ飴やハロウィンキャンディーに混入したという報告があります。もはや子どもに見知らぬ人からもらったおやつを食べさせるというのは安全ではありません」と書いています。

現在でもハロウィンキャンディーにかみそりの刃などの異物が混入されているという報道がしばしばありますが、かみそりの刃のようなものであれば、大抵の場合は見た目でその存在に気づくことができます。しかし、目には見えず、一般人では検出することも難しい「毒」が混入されている場合、どうなるのでしょうか。



By Juushika Redgrave

デラウェア州立大学の社会学者であるジョエル・ベスト氏は、なんと30年以上にわたって「ハロウィンのお菓子には変質者が毒を盛っている」と主張し、ハロウィンのお菓子について調査を続けています。ベスト氏の調査によると、アリの駆除剤をジョークとして子どもに配った例や、ハロウィンキャンディーを介して子どもを殺害したという事例は確かに存在するそうです。

子どもが死んだ事例というのは、1974年にアメリカで起きたティモシー・オブライアンという当時8歳の少年が死亡した事件です。ティモシーが死ぬ数日前、父親のロナルド・クラーク・オブライアンは、息子のティモシーと当時5歳であった娘のエリザベスに対して4万ドルの生命保険をかけました。ロナルドは多額の借金を持っていたため、保険金を得るために息子のティモシーにお菓子の「Pixy Stix」にシアン化合物を混ぜた物を食べさせ、毒殺したわけです。

しかし、自身の犯行がばれてしまえばティモシーにかけた保険金を受け取ることできなくなってしまうため、ロナルドはティモシーを殺害したのは「近所の変質者や日雇い労働者」であるという作り話をでっちあげ、近くに住む少なくとも4人の子どもに毒入りPixy Stixを配ったそうです。当局の素早い対応により、幸いにもティモシー以外の犠牲者は出なかったそうですが、ロナルドから毒入りPixy Stixを受け取った4人の中のひとりである11歳の少年は、Pixy Stixをもらってすぐに食べようとしたそうです。しかし、ロナルドが一度開けたPixy Stixを硬く閉じていたため、開封できずに食べることができなかったとのこと。



By

TheDeliciousLife

この事件があまりにも悲惨な内容であり、かつ意図的にハロウィンキャンディーに毒が盛られる可能性を示すものであったため、「ハロウィンキャンディーに毒が盛られている」というウワサが広まったものと思われます。なお、テキサス州が1984年にロナルド・クラーク・オブライアンを死刑にしています。