渋谷にも、大人が人生で一度は食べておきたい美味がある。それも東京を代表するレベルのお店だ。忘れがたき味、上質な空間、温かいおもてなし。

『ラチュレ』こそ、大人が渋谷に再訪する理由となる一軒だ。



食事への期待が高まる、印象的なテーブルセッティング

ジビエに魅せられたシェフの全力の料理を
『LATURE』

19世紀のフランスを代表する美食家、かのブリア・サヴァランをして牴罅垢凌卓の花形である〞とまで言わしめたジビエ(野禽料理)。それに魅せられたのが室田拓人氏。青山学院近くのフランス料理店『ラチュレ』のオーナーシェフだ。

「ジビエはクラシックなフレンチのスター的存在。飼育された肉と違い、自然の厳しい環境の中で育った肉は余分な脂がなく、旨みが凝縮されています」

熱意を込めてその魅力を語る室田シェフ。そんな彼とジビエとの出会いは20歳の時。修業先のビストロ、神谷町『レゼールヴェルト』だった。初めて口にした山鳩の野生的な旨味は、たちまち室田シェフをジビエの虜に。

そこで、次の修業先に選んだのが銀座『タテル・ヨシノ』。ジビエの達人・吉野建シェフの門戸を叩いたのだ。



ジビエコースのメインより“べキャスの丸ごとロースト サルミソース”。べキャスとは山シギ。「ジビエの王様」とも呼ばれるほど高貴な鳥として、フランス料理では珍重される


ここでさまざまな野禽類を扱ううち、ひとつひとつに個体差があることに、室田シェフは気づく。

「なぜこれ程までに違いが生まれるのだろうと考えた時、獲れた場所、仕留め方、処理の仕方で大きく味が変わるものなのだ、と。そして、ジビエの面白さはまさにそこにあると思ったんです」

ならば、自分で納得のいくように仕留め、処理すればいい。そう思いたった室田シェフ、2009年には狩猟免許を取り、料理人兼ハンターに。

今、店で出すジビエのうち、青首鴨など鳥類の多くは自ら仕留めたものだ。また、熊や猪などの鳥類以外の肉は、信頼する猟師から仕入れている。



“熊と野生のキノコのコンソメ”は、1ヵ月熟成させた蝦夷ヒグマの骨からとったスープ。クラリフェする(スープを澄ますこと)肉もヒグマのすね肉を使っている


青首鴨は収穫後の米を食べた田んぼの近くで獲れたもの、熊なら、山の木の実をたっぷり食べる時期と場所を選ぶなど、生育環境も鑑み下処理も丁寧に施した『ラチュレ』のそれは、過度な熟成香もなく、自然の恵みを存分に受けて育った生き物ならではの、清廉でいて精気漲る旨さが身上だ。



アミューズ3品。左は猪べーコン入りの“猪と松の実のケークサレ”。奥は雉鳩を骨や内臓ごとペーストにした“鳩のリエット”。右は“鹿のマカロン”。卵白の代わりに鹿の血を用いたマカロン生地で鹿のブーダンを挟んでいる


また、手法はクラシックでもプレゼンテーションはモダンに、が室田流。鹿のブーダンをマカロン仕立てにしたり、落ち葉をあしらったガラスの器に熊のコンソメを注ぎ入れるなど、軽やかさとエスプリを漂わせて仕上げている。

だが、この店で室田シェフが真に表現したいこと、それは単にジビエを看板メニューすることだけではない。それを通して古きよき王道のフレンチ――すなわち、フランスの古典料理を再現していきたい。そう考えているのだ。



“パテ・ショー”は『ラチュレ』室田拓人シェフ流・ジビエのトゥルト。折りパイ生地の中には、中央のフォアグラを取り囲むように、ミンチにした鹿の血と肉、ヒグマと猪の腿、バラ肉が層になっている


その代表的なひと皿が爛僖董Ε轡隋〞だろう。サクッと軽やかなパイ生地に包まれたミンチ肉は、鉄分の旨みが濃い鹿肉に野性味溢れる熊、脂の甘みが持ち味の猪の三者そろい踏み。中央のフォアグラのコクとトリュフの香りが芳醇さをプラス。

大地と森の精気をいただくような力強いひと皿は、わざわざ足を運ぶにふさわしいスペシャリテ。フォン・ド・ヴォーベースのしっかりとしたマデラソースと共に味わえば、赤ワインが進むに違いない。

年末の華やかな雰囲気が近づき始めた今、『ラチュレ』での記憶に残る美食体験を計画するのもいいだろう。




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