電気自動車の利用者が一番頭を悩ましているのが充電問題だ。もし電気自動車が充電スタンドの制約から脱し、充電が給油よりも楽になったらどんなにいいだろう。浙江省紹興市では、多数の機関が「太陽1号」ソーラーロード研究を10年にわたって完成させたという。

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近年、中国の都市の多くで電気自動車の普及が始まっているが、電気自動車の利用者が一番頭を悩ましているのが電気自動車の充電問題。もし電気自動車が充電スタンドの制約から脱し、充電が給油よりも楽になったらどんなにいいだろう。そんななか、先ごろ浙江省紹興市では、ソーラーパネルが敷かれた試験走行用道路を重さ200トンもある大型ダンプカーが走行したが、その路面は傷一つつかなかったという。これによりこのソーラーパネルが敷かれた試験走行用道路は、目下、世界最大の耐荷重量を備えた試験走行用道路であることが証明された。またこれは、浙江蘭亭太陽能科技有限公司や中国科学院寧波材料技術・工程研究所、清華大学スマート都市・スマート交通研究センターといった多数の機関が10年にわたって完成させた「太陽1号」ソーラーロード研究の成功も意味している。

耐荷重量200トン、太陽光発電、電気自動車のワイヤレス充電、道に積もる雪を溶かすといったこれらの機能をどのように実現させたのだろうか?

▽一石二鳥と「自給自足」

中国科学院半導体研究所の曲勝春研究員は取材に対し、走行と発電はソーラーロードの二つの基本機能だとした。

ソーラーロードが道路として機能するには、必ず重さや摩擦に強くなければならない。蘭亭工程建設集団のエンジニアである李景軒氏は、重さ200トンの大型ダンプカーによるソーラーロード上の試験走行を行った結果、路面には傷一つつかなかったとしている。

ソーラーロードは機能層、荷重層と基底層の3層によって構成されている。李景軒氏によると、機能層の中のソーラーパネル自体は脆い材料だが、自社開発した特別なやわらかい材質の保護層で覆うことで、この摩擦に強く、強度が高い一見ガラスのような保護層が脆いソーラーパネルを保護すると同時に、車両の正常な走行も保証すると説明した。

ソーラーロードの発電メカニズムに関して曲勝春氏は、太陽電池により太陽光を電力に転換すると同時に、珪素やガリウム砒素などの半導体材料が太陽光を吸収、電子正孔対を生成し、電子正孔対がPN接合面に移動して自由電荷に分離する。そして直流電流を生成後、直接使用したり、蓄積することが可能となる。市の電力網に電力を流用する場合は、インバータで交流電流に変換する必要がある。

李景軒氏によると、ソーラーロードの発電は主に道路の照明、電気自動車の充電、トンネルなどの道路上で必要な電気の需要を満たすだけでなく、残余電力を市の電力網に流用したり、夜間やほかの電力を必要とする時間帯に再び電力網から電力を給電することで、「自給自足」を実現するという。

▽地面に埋められた充電の秘密

ソーラーロードの出現は電気自動車の充電方式を一新することになる。つまり、走行しながらの充電を実現するのだ。

その「秘密」は地面に埋められている。李景軒氏は、試験走行用の道路に敷かれたソーラーパネルには予め磁力を生成できる導磁パネルが備えつけられており、「磁力が電気を生み、電気が磁力を生む」の原理に基づき、ワイヤレス充電が可能な電気自動車が磁力に接すると、それを電気に変換できると説明した。

曲勝春氏は、ソーラーロードは電気の供給側として、装置を通して電気を電磁波に変換し、電気自動車に受給側としての電磁波の受け取り装置と変換装置を取り付ければ、ワイヤレス充電型電気自動車として利用できるとの見方を示した。

また、道路上の雪を溶かす機能について李景軒氏は、ソーラーパネルの下に加熱材料と電気加熱装置が取り付けられており、同装置が道路の熱を零度まで加熱し、ソーラーパネルを通して放熱された熱気で雪を溶かす仕組みであると紹介している。