<ロバート・ムラー元FBI長官がロシア疑惑の特別検察官に任命されて約半年、捜査の手はトランプ側近にまで及ぶのか>

昨年の大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補が有利になるようロシアと共謀して選挙に介入したとするロシア疑惑。その独立捜査を指揮するロバート・ムラー特別検察官が訴追する最初の容疑者が、早ければ10月30日にも拘束される可能性が出てきた。トランプの大統領当選を支えた側近たちが窮地に立たされる可能性もある。

初の訴追は、長い捜査の始まりにすぎない。これまでに名前が浮上しているのは以下の人物。

■ポール・マナフォート
トランプ陣営の元選対本部長

昨年の米大統領選で一時トランプ陣営の選挙対策本部長を務めたポール・マナフォートは、最も決定的な証拠を捜査当局に握られている。

米下院情報委員会のアダム・シフ下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は10月29日、訴追が予想される2人の人物の1人として、マナフォートの名前を挙げた。

米ニュースサイト、バズフィードは同日、マナフォートが海外に保有する複数の会社を経由した延べ13回、総額300万ドルに上る「疑わしい」海外送金に、FBIの捜査チームが目を付けていたと報じた。マナフォートは以前からウクライナの親ロシア派政党に協力するなど、外国の団体のためのロビイストや政治コンサルタントとして幅広く活動していた。

米紙ニューヨーク・タイムズは先月、FBIが7月下旬にバージニア州にあるマナフォートの自宅を家宅捜索した後、ムラーがマナフォートに「訴追を視野に入れている」と伝えたと報じた。

最初の容疑者がマンフォートでなかったとしても、いずれそうなる可能性は大だ。

ロシア当局者と深い関係

■マイケル・フリン
前大統領補佐官(安全保障担当)

シフはマナフォート以外に訴追される可能性がある人物としてマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の名前を挙げた。

フリンはマナフォートと同様、外国から資金提供を受けていた疑惑がある。彼がマナフォートと異なるのは、トランプ政権発足後、安全保障担当大統領補佐官としてわずか24日間とはいえホワイトハウスで働いていたことだ。

米陸軍の退役軍人であるフリンは、政権発足前にロシア当局者と対ロ制裁について協議したことを米政府に隠していたと報じられ、2月13日に辞任した。またトランプ政権幹部として機密情報のブリーフィングを受ける立場にいた間に、トルコ政府に近い企業からロビー活動の報酬として53万ドルを受け取っていたことも発覚した。

ジェイソン・シルバースタイン、マックス・カトナー