29日、韓国メディアが世界的なIT強国と言われる韓国の問題点を指摘した。資料写真。

写真拡大

2017年10月29日、韓国・朝鮮日報が世界的なIT強国と言われる韓国の問題点を指摘した。

記事によると、経済専門誌「フォーブス」が今年5月に発表した「世界2000大企業」の中に米国の純粋なソフトウェア企業はマイクロソフト、オラクル、アドビなど18社が含まれていた。これらの企業の昨年の売り上げは1926億ドル(約22兆円)に上り、世界のソフトウェア市場(3330億ドル)の半分以上(58%)を占めた。欧州にもSAP(ドイツ)、アマデウスIT(スペイン)、ダッソー・システムズ(フランス)など各国を代表するソフトウェア企業が存在するが、韓国の企業は1社も名を連ねることができなかった。

韓国は「IT強国」と言われているが、サムスン電子やLG電子のような製造企業(ハードウェア分野)に偏っていることが特徴的だ。ソウル大学のイ・ウイル教授は「真のIT強国になるためにはソフトウェア分野に強くならなければならないが、韓国はソフトウェア・サービス分野において、“世界市場に名刺を渡すことすらできない”レベルだ」と指摘した。

非製造IT分野で世界の企業と韓国企業の差は比較できないレベルまで広がっている。韓国の代表的なソフトウェア企業「ハングルとコンピューター」の昨年の売り上げは1012億ウォン(約100億円)で、世界1位のソフトウェア企業である米国のマイクロソフト(853億ドル・約9兆7400億円)の0.1%ほどに過ぎない。

このような問題がこれまで取り沙汰されなかったのは、サムスン電子やLG電子、SKハイニックスなどのIT製造企業の成果による“錯視”が原因とみられている。韓国は経済協力開発機構(OECD)の中で最もIT産業への依存度が高い。2015年の国内総生産(GDP)の10.4%をIT企業が占めているが、その69.4%をIT製造業が占めていた。

また、製造業を除いた韓国のソフトIT産業は「井の中の蛙(かわず)になっている」と指摘する声も出ている。韓国内1位のサイバー保安企業である「SKインフォセック」の昨年の売り上げ(2002億ウォン、約202億円)のうち、海外での売り上げは36億ウォン(約3億6000万円、2.6%)に過ぎなかった。一方、世界1位のサイバー保安企業である米国の「シマンテック」は昨年、約40カ国で38億ドル(約4300億円)の売り上げを記録した。

さらに、韓国が地位を確立しているITハードウェア分野でも、中国やインドなどの猛烈な追い上げによりその差が着実に縮まっていることも大きな問題として指摘されている。

OECDの報告書によると、新たに浮上しているソフトウェア分野「クラウド」の韓国企業の活用割合は調査対象33カ国の中で21番目、ビッグデータの分析活用は21カ国中最下位だった。先進国は最近、金融、通信、流通、医療など多様な分野で大量のビッグデータを分析し、次々に新たな産業を起こしている。しかし、韓国は過度な個人情報保護のため、ビッグデータを活用できずにいるという。

インターネット企業協会のチャ・ジェピル政策室長は「第4次産業革命の核心であるAIとクラウド・コンピューティングを利用してビックデータから情報を抜き取り、これを加工して活用する新たな市場が開かれているが、韓国にとっては全て『絵に描いた餅』だ」と苦言を呈している。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「韓国はIT消費強国であって、IT強国ではない」「韓国はネットの速度が速いというだけで自分たちを『IT強国』と主張してきた。いまさら気付いたの?」「韓国人が必死になってネット速度上げたり、電子機器を購入する理由はゲームがしたいから」など、韓国がIT強国と言われていることに対する否定的なコメントが相次いでいる。

そのほか、「世界で最も労働時間の長い国がなぜこんな有りさまなのか…」「ソフトウェア分野でも実力のある人は多いが、その多くが外国に買われていく」と嘆くユーザーや、「正しい指摘。本当に深刻な問題だ。ソフトウェアのない経済構造には未来がない。この機会に国を変える必要がある」と主張するユーザーの他、「心配いらないよ。ただ外国のものを買って使えばいいのだから」と諦めムードのユーザーも。

また、「開発者らを冷遇し、専門性がなく実力もないフリーランサーをむやみに養成しようとする韓国には未来がないよ」「何かを作ってもすぐに権力者に奪われてしまう。それなのに誰が開発したがる?米国などと違い、韓国では最初に特許を出願した人の権利が守られない」「韓国人は目に見えないものを見下す傾向が強い。まずはそこから変えるべきだ」など韓国社会の問題点を指摘する声も寄せられている。(翻訳・編集/堂本)