かつて、脳卒中の割合が全国1位にもなった長野県。漬物を多用する塩辛い食生活がその原因らしい、ということで、県民の健康増進のために官民一体となって行なったキャンペーンのひとつが「塩の代わりにスパイスを活用しよう」というもの。

今ではその甲斐あって、男性80.88歳、女性87.18歳と、男女ともに日本一の長寿県として知られるようになったのです。

辛味フリークに
「唐辛子味噌」を

長野へ旅行に行き、七味唐辛子の缶が売っているのを目にしたことがある方もいるでしょう。それはきっと、長野県民の御用達にしてお土産の定番品「根元 八幡屋礒五郎」の謹製の七味唐辛子です。しかしちょっと目線を変えてみれば、長野にはまだまだ知られざるスパイス調味料がありました。

それが、この「七香七味」。瓶の蓋を開けた途端に強烈な味噌の匂いが鼻を刺激します。ひとくちサイズをお箸によそって口に入れると、最初は味噌の甘さが口の中に広がり「なんだ、あんまり辛くないじゃないか」と思うのも束の間。身体の奥が熱くなり、汗が吹き出てきます。

最初は「ちょっと少ないかな?」と思うくらいの量でお試しを。

ピリリと辛い唐辛子が
農業の過疎化を救う!?

長野と言えば、川上村のレタス栽培や冷涼な気候を活かした果物の栽培でも知られていますが、じつは唐辛子も主要な作物のひとつ。信州の伝統野菜にも登録された「ぼたこしょう」や「ひしの南蛮」をはじめ、県内では確認されただけで14もの在来品種が栽培され続けているんです。

そしていま唐辛子は、過疎化や高齢化が進む農業において鳥獣害の食害を受けにくく、栽培が比較的容易なこともあって、山間部での農業を支える作物として注目を浴びている存在。山間の農村だからこそ現代にまで残った在来品種は、貴重な遺伝資源であり、村おこしの秘密兵器なのです。

辛くてご飯が進む七香七味は、日本の農業だけでなく、一人ひとりの健康も守ってくれるご当地フードなのかもしれません。

購入は、旬粋より。

Photo by Kenji Fujimaki