画像提供:マイナビニュース

写真拡大

「値動き分析」とは、確かにまとめたのは私であり、実際の言葉は異なるにせよ、インターバンクディーラーが日々スクリーンで見ている為替レートの変動(値動き)から、マーケットポジションや相場の方向性を見るものです。

ロンドンタイムでも、値動きとは言わないまでも、同じような価格変動からマーケットポジションを見ていることは、ロンドンの相場変動からも分かります。ちょっと取っ付きにくいかもしれませんが、ご理解いただければ大変な武器になるものです。

○値動き分析の基本パターンを解説

では、早速値動き分析の基本パターンを見てみましょう。

この表は、(1)〜(3)が上昇過程、(4)〜(6)が下落過程を示しています。(1)と(3)を例としてお話ししますと、(1)のジリ高過程がまず発生します。

ジリ高では、ほぼ対角線状に相場が上昇しています。これは新規に買い上げていく「買い上げ」の場合もまれに見られますが、例外的です。

普通は、例えば何らかの下げにつながる経済指標発表や要人発言に相場が急落した後、その下落で売り遅れた多数のマーケット参加者が、安値で売るのはなかなか勇気がいるため、戻りを売ろうとします。しかし、戻り売りになるにはそれなりの理由があります。そして、戻りで売ろうとするマーケット参加者は多く、ジリ高過程では下がらず相場がショート筋の買い戻しによってジリジリと上げてしまいがちです。

これはショートポジションが大きく買い戻されない限り、いつになっても終わることはありません。ショートを抱えたマーケット参加者がしびれを切らせてまとまって買い戻すと、(2)の急騰になります。できるだけ損失を限定させようと我先に買い戻すため、急上昇となるのです。

しかしこの急騰過程では、相場が急上昇するために思うようには買えず、大量の損切り発生の末、ポジションはスクエア(ノーポジション)になります。そうすると、(3)の高止まりとなります。高止まりになっているということは、ポジションがほぼスクエアになっており、マーケットポジションがロングにもショートにも偏っていないため、横ばいを続けます。

その内に、例えば上昇過程で売り上がって切らされた悔しさから、また売ってきたりするマーケット参加者もいるため、再び売りが強まることもありますが、スクエアなマーケットで売り直せば単にショートになるだけですので、結局は反発してしまいます。

ここまで、(1)ジリ高→(2)急騰→(3)高止まりを解説してきました。逆の(4)ジリ安→(5)急落→(6)安値圏は方向こそ違いますが、基本的な仕組みは同じですので、(1)〜(3)の過程をひっくり返してご理解ください。

いずれにしても最初はピンとこないものと思いますが、値動きの変化からリアルタイムでマーケットポジションが読むことができます。

もともとのレート自体は、スプレッド幅は内外FX会社により違いがありますが、マーケットの意見の集約です。また繰り返しになりますが、リアルタイムの世界共通のレートである以上、リアルタイムに内外のマーケットの総意が分かることになります。

○値動き分析を実際に使う方法

さて、それではこの値動き分析を実戦に使う方法をお話ししましょう。

再び、(1)ジリ高→(2)急騰→(3)高止まりを例にとってお話しします。(4)〜(6)に関しては、(1)〜(3)をひっくり返してご理解ください。

(1)のジリ高は上げはゆっくりですが、一貫した上昇を続ける傾向ですので、押し目買いでエントリーすることがお勧めです。ただし、最初にお話ししましたように、米系ファンドなどが好んでやる、あえて高値を買い上げていく、いわゆる買い上げの場合もあります。

ジリ高の最終は(2)のような急騰になりますが、皆損切りで我先にマーケットから脱出しようとするため、なかなか買えないというのが実情ですので、「できれば買い」というスタンスでいることが大事だと思います。一方、買い上げは文字通り「買い上げる」ため、マーケットポジションがロングになり、最終的には反落となります。

つまり、ジリ高か買い上げかで途中は同じようなジリ高ながら、最終局面が、ジリ高は急騰、買い上げはロングになって反落と違ってきますので、やはり上げている最中に利益確定が必要だと思います。

(3)の高止まり状態になると、結構長い時間横ばいになるため、レンジ取引が向いているものと見ています。

簡単に値動き分析をご説明してきましたが、基本的にそれ程難しくはありません。むしろ、これが分かってくると優れた武器になりますので、是非お勧めします。

○執筆者プロフィール : 水上 紀行(みずかみ のりゆき)

バーニャ マーケット フォーカスト代表。1978年三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。1983年よりロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。 東京外国為替市場で「三和の水上」の名を轟かす。1995年より在日外銀において為替ディーラー及び外国為替部長として要職を経て、現在、外国為替ストラテジストとして広く活躍中。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。なお、長年FXに携わって得た経験と知識をもとにした初の著書『ガッツリ稼いで図太く生き残る! FX』が2016年1月21日に発売される。詳しくはこちら。