社会人侍ジャパンでも活躍した巨人5位の日立製作所・田中【写真:Getty Images】

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今季はドラ2&3が新人王候補、全体85番目も…スカウトの目利きが鍵、2位以下の注目選手

 NPBのプロ野球ドラフト会議は今年も支配下、育成を合わせて114人が指名され、プロ入りの切符を掴んだ。7球団が強豪した日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(早実)を筆頭に計11球団が抽選となるなど、1巡目指名は大きな注目が集まったが、ルーキーたちの最初の目標は新人王である。

 しかし、1年先輩にあたる今年の新人王レースはセは中日2位の京田陽太内野手(日大)、パは西武3位・源田壮亮内野手(トヨタ自動車)が有力候補に挙がる。ほかにもパは昨年の全体85番目で指名された楽天9位・高梨雄平投手(JX-ENEOS)が46試合で防御率1.03、セは高卒ルーキーのDeNA5位・細川成也外野手(明秀学園日立)が28日の日本シリーズでスタメンを勝ち取るなど、1位以外の逸材が躍動している。

 果たして、スカウトの目利きによって今年、指名した「ドラ1じゃない」注目の逸材は誰なのか。

 今年の京田、源田の両遊撃手のブレイクで言うと、同じレールで期待されるのがロッテ2位・藤岡裕大内野手(トヨタ自動車)だ。名門チームで源田の後を継いでショートを守り、社会人侍ジャパンに選出。50メートル5秒9の俊足に遠投120メートルの強肩を誇る。ウェーバー順で全体13番目に指名された逸材。遊撃の手薄なロッテで定位置を掴めば、ブレイクする可能性がありそうだ。

広島リードオフマンの弟、日米ハーフ右腕、U-18高校日本代表左腕

 同じように、社会人内野手でいえば、巨人5位・田中俊太内野手(日立製作所)は面白い。広島のリードオフマン・田中広輔の弟にあたり、堅実な守備、勝負強い打撃は魅力的。巨人もマギー以外は二、三塁手は手薄でレギュラーのチャンスはある。実力的には、もともと上位候補で5位に残っていたのが、不思議なほど。巨人―広島で兄弟対決の機会をどんどん作ってほしい。

 未知なる可能性という意味では、広島3位のケムナブラッド誠投手(日本文理大)が楽しみだ。192センチ、91キロの大型右腕。米国人の父を持つハーフで、最速151キロ。本格的な野球歴は浅いといい、野村、岡田、薮田ら、大卒右腕を育て上げてきた広島なら、育つ土壌もある。将来性も含め、大化けするかどうか注目して見ていきたい。

 上述のDeNA・細川のような高校生では、ソフトバンク5位の田浦文丸投手(秀岳館)に期待したい。侍ジャパン高校日本代表でU-18W杯ベストナインを受賞。並の高卒左腕と違うのは、直球の球威とスライダーのキレで抑えるだけでなく、100キロ台前半のチェンジアップで緩急という技があることだ。こちらも上位指名でもおかしくなかった逸材。2〜3年以内に頭角を現しそうだ。