アマゾン第2本社に最適の都市、米専門家が「斬新な」提案

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米アマゾンが9月、北米に第2本社(HQ2)を設置する計画を発表したことを受け、売上高およそ1500億ドル(約17兆円)のこの小売企業を誘致しようと、数多くの都市がさまざまな案を打ち出し、競い合っている。

アマゾンが立地選定の条件として挙げているのは、人口100万人以上の大都市圏にあること、ビジネスがしやすい環境であること、テクノロジー分野の優秀な人材を確保できる場所であること(HQ2では最大5万人の従業員を採用する計画)などだ。そして、アマゾンは候補として名乗りを上げる自治体に対し、立地選定や不動産関連のプランを立てるにあたっては「大きく、創造的に」考えることを求めている。

米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、労働力と事業を行うにあたってのコスト、生活の質などを理由に、有望な候補地としてテキサス州オースティンを挙げている。フォーブスはこの候補地選びについて、合わせて100年近い歴史を持つ立地選定が専門の3社の創業者たちに意見を聞いた。

・スパーリングス・ベスト・プレーシズ創業者、バート・スパーリング(オレゴン州ポートランド、調査会社)

──アマゾンがHQ2で5万人を雇用すると、その周辺の人口は12万5000人ほど増えることになる。それだけでも、米国内で200番目くらいの人口を擁する自治体と同じ規模になる。新たに転居してくる人たちの数だけを見ても、誘致に成功した都市は、どれほどの大都市でもリソースに問題を抱えることになる。

アマゾンが提示した選定基準は、その都市がすでに成功し、さらに成長を続けている都市でなければならないことを意味する。つまり、4万戸にはなるだろう数の住宅を求める新たな住民たちを受け入れる余力が最も少ない都市だ。そこで、私が勧めるのは、アマゾンによる「都市の新設」だ。

──候補に挙がる都市の住宅価格はすでに高水準だ。だが、新たな都市はその問題を抱えずに済む。都市計画(郊外も含む)に新たなコンセプトを採用し、輸送機関にも従来とは異なる選択肢を導入することができる。そして、新たな都市はその後に拡大させていくことも可能だろう。ドローン配送や自動運転車による配送、店員のいない店舗などのコンセプトのテストベッドにすることもできる。

白紙の状態から造る都市は、老朽化したインフラや既存の建物と道路による制約の下で進める場合に比べ、より低コストかつ短期間で整備することができるだろう。

──政治的な問題に関する議論についてはそれほど詳しく承知していないが、考慮が欠かせない点だと考える。アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは、LGBTに対する差別や移民の制限に批判的な意見を述べている。つまり、こうした問題でベゾスと異なる意見を持つ人が多い保守的な州が選ばれるとは考えにくい。

健全な財政理論よりも政治的イデオロギーを優先するような州(例えばカンザス州などだ)にアマゾンが拠点を置くことは、同社の利益にもならないだろう。

──インターネット接続や配送、空港、主要な大学、医療機関、その他の重要なリソースへのアクセスから考えても、アマゾンはHQ2を、大都市からそう遠くない場所に置きたいと考えるだろう。シカゴやデンバー(コロラド州)は、魅力的な候補だと思うが、HQ2設置はアマゾンにとって、国の反対側(西部ではなく東部)、政治と金融の中心から近い場所に足場を築く良い機会でもある。

──こうした要素を全て考慮に入れた上で、私が候補として挙げるのは、首都ワシントンから半径およそ50km以内、またはニューイングランド地方、ボストンからニューヘイブンまでの間のどこかに造る新たな「アマゾン」シティだ。

そのほか2人の創業者たちからは、具体的な都市名が挙げられた。