湘南のJ1昇格とJ2優勝が決定しました。湘南のファンのみなさん、そして関係者のみなさん、おめでとうございます。僕も、1年だけではありましたが湘南に在籍したことがあり、今でもチーム関係者や眞壁潔会長とは今でも交流があって、OBとしてとても喜んでいます。

僕が湘南に移籍した2000年は、チームが初めてJ2に降格した年で、「ベルマーレ平塚」から「湘南ベルマーレ」に改称した年でした。メインスポンサーの後ろ盾を失って、チームは財政的に厳しくなっていました。この状況は今でも変わっていないと思います。僕自身もヨーロッパへの移籍を模索しながらうまくいかず、半年ほど転々としたあとに入団して、チームと一緒に苦しい時期を過ごしたのを覚えています。

湘南はこれまで4回昇格しては(1993年JFLから昇格、2009年、2012年、2014年)4回J2に落ち(1999年、2010年、2013年、2016年)、今回で5回目の昇格となります。そんな「エレベーター」チームなのには理由があります。それは育てた、いい選手がほかのチームに移籍してしまうから。日本代表で活躍している遠藤航や永木亮太が元々頭角を現したのは湘南です。

資金力がないチームの辛さでもありますし、湘南は昔から選手のためを思って移籍を容認するというクラブだからこそ、というのもあります。それでも常にレベルを保っていられるのが湘南の特長です。それはクラブがぶれないからでしょう。

自分たちのサッカーを変えず、選手もそれを疑わず、鍛え抜いてチーム力を維持しているのは、財政面が厳しいクラブのお手本ではないでしょうか。理念を持ってチームが運営されている限り、大きく崩れるはずがありません。

チョウ貴裁(キジェ)監督にとっては、2012年、2014年に続き、3回目の昇格となります。これまでJ1で3年間率いてきましたから、J1での戦いは熟知しているでしょう。さらに経済的な環境も変わります。J1の均等分配金は3.5億円になり、J2の1.5億円から倍以上になるのです。パフォーム社からの放映権料がない2016年はJ2が1億円、J1は1.8億円だったことを考えると、前回昇格したときよりも楽にはなるはずです。

またクラブもホームタウンを7市3町から、鎌倉市や箱根町などを追加した9市11町に増やすなど基盤の強化を図っています。劇的とは言いませんが、それでもますます財政面の土台はしっかりとしてきました。

勝手な希望を言わせてもらえば、ここで少し無理をしていい外国籍選手を獲得し、J1でも大躍進を果たしてほしいものです。もっとも、まずはチーム運営が第一。その考え方も湘南はぶれません。ぜひ来季も湘南のビッグウェーブでJ1を沸かせてほしいと願っています。