大野(左)は強気のラインコントロールで堂々と勝負。ソン・ジュフンとの連係もばっちりだった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ31節]新潟1-0鳥栖/10月29日/デンカS
 
 人間は、痛恨のミスを反省し、次の機会には改善できる生き物だ。前節の磐田戦で後半アディショナルタイムに追いつかれた新潟は、同じ過ちを犯さず、鳥栖に完封勝利を収めた。
 
 前節の磐田戦でクローザーとして投入された大野和成は、自身の投入後に被弾し、役割を果たせなかった。しかし、この日は強気のラインコントロールでチームを鼓舞した。キャプテンは言う。
 
「ロングボールは相手の強みだと分かっていたし、ラインをズルズルと下げるとやられてしまうので、下げずにコンパクトに対応した。相手にボールをそらされても、後ろにスペースがある分時間もあるので、そこはみんなで戻ってディフェンスできるという考えだった」
 
 今季の新潟は、ここまでリーグワーストの58失点だが、直近の3試合で2失点と改善傾向にある。ではなぜ、守備が機能するようになったのか? 言葉を選びながらより深く言及する。
 
「チーム全員がハードワークするのが新潟の良さで、それがやっとできるようになってきた。開幕からできなかった理由はいろいろあると思う。自陣深くにブロックを敷いて、そこからカウンターを狙う形を採っていたが、それに固執するあまり、ボールホルダーへのプレッシングができていなかった。アプローチがひとつずつズレることでやられていたし、自分が怪我から復帰した時にそれを感じた。ウチには走れる若手がたくさんいる。彼らにはどんどんボールに行ってもらって、経験のある選手がカバーすれば良いと思っていた」
 
 大野が語るように、序盤戦から今のような戦いができていれば、最下位に沈むどころか、台風の目になっていた可能性すらあったかもしれない。

 下位をさまようクラブが往々にして空中分解を起こすのに対し、新潟はここにきてむしろ一致団結している感がある。そんなチームの雰囲気を感じているからこそ、サポーターも暖かい声援を送り続けるのだろう。誰よりもその想いを知っている男は、奇跡の残留を信じ、愛するクラブの為に全力を尽くす。

取材・文:梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)