李雪主夫人の足元にハングルで「銀河水」と書かれている(朝鮮中央通信)

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北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日、金正恩党委員長が李雪主(リ・ソルチュ)夫人、妹の金与正(キム・ヨジョン)氏とともに、リニューアルされた平壌化粧品工場を現地指導したと伝えた。日時は明らかにされていないが、直前のことと思われる。

今年は軍事部門を重点的に現地指導してきた正恩氏だが、今月中旬から万景台革命学園、柳原履物工場、そして今回と、3回続けて民生部門を訪れた。政治・経済・軍事のすべてで圧力を強める米国に余裕を見せつけるとともに、国民生活を気遣う姿勢をアピールし、経済制裁を乗り切ろうとの思惑が伺える。

デタラメな女性遍歴

ただそれと同時に、訪問先のひとつに平壌化粧品工場を選んだことの裏には、正恩氏のプライベートな事情があるような気がしてならない。

実は、正恩氏は2015年2月にも同工場を訪れ、次のように号令をかけている。

「化粧品の質を絶えず高めてわが人民が他国のものではなく『銀河水』商標をつけたわれわれの化粧品を先に求めるようにし、ひいては『銀河水』化粧品が世界市場でも有名になるようにすべきだ」(2015年2月5日付朝鮮中央通信)

世界市場を狙おうとは、えらい鼻息の荒さだが、「銀河水(ウナス)」と聞いてピンとくるものがある。元歌手である雪主夫人がかつて所属していたのが、「銀河水管弦楽団」なのだ。

(参考記事:金正恩氏「美貌の妻」の「異性問題」で殺された北朝鮮の芸術家たち

もしや化粧品の「銀河水」は、雪主夫人をイメージしたものなのではないか。正恩氏はこの現地指導の際、次のようにも言っている。

「自分が後押ししてあげるから平壌化粧品工場を世に出して誇るに足る近代的な工場、満点の工場、わが国の化粧品工場のモデル、標準として完全に一新させよう」(同)

同工場のリニューアルはこの言葉を受けて開始され、このほど完成したのであろう。そして正恩氏は美貌の妻を伴い「視察デート」に及んだのではないか。同工場で夫人を隣に満面の笑みを浮かべる写真が、そのことを物語っている。

本当にそうなら国家の私物化だが、夫人を大事にしているのなら、「喜び組」との遊びにふけり、デタラメな女性遍歴を重ねた父の故金正日総書記よりはまだいい。

もっとも正恩氏自身も、「パーティー狂い」が伝えられてはいるのだが。

いずれにしても、このまま国際社会の経済制裁が続けば、国民は化粧品どころではなくなるかも知れない。正恩氏はまずそのことを、正面から見据えるべきなのだ。