キャプテンとしてU-19日本女子代表を牽引した南。写真:馬見新拓郎

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 中国・南京で開催されていたU-19女子アジア選手権で、U-19日本女子代表(ヤングなでしこ)は、決勝戦でU-19北朝鮮女子代表を1-0で破り、2大会連続5回目の優勝を決めた。

 
 今回のヤングなでしこメンバーは、昨年のU-17女子W杯決勝や、一昨年のU-16アジア女子選手権決勝で、いずれも北朝鮮に敗れて準優勝となった選手が多くいるが、『三度目の正直』でアジア最大のライバルに勝利を収めた。
 
 これによりヤングなでしこは、フランスで行なわれる来年のU-20女子ワールドカップに、アジア女王として出場する。翌年に控える女子ワールドカップのプレ大会という側面もあるU-20女子ワールドカップで活躍することは、もちろん「なでしこジャパン」への近道でもある。
 
 今大会で活躍を見せた以下の5選手は、なでしこジャパンに近い存在とも言えるだろう。

■チーム発足時からキャプテンとして統率
DF:南 萌華(みなみ・もえか)/浦和レッズレディース
 
 今回のヤングなでしこは、今大会に臨むまでの候補合宿や海外遠征に主力が参加できないことがあり、その点でチーム作りに難しさはあったが、チーム立ち上げ時から継続して代表に選出されている南が、キャプテンとしてチームをまとめた。
 
 今大会は怪我の影響で欠場した試合もあったが、ヘディングの強さやディフェンスラインの統率でチームに貢献。「決勝で北朝鮮と対戦した財産を無駄にしないように」とU-20女子ワールドカップも見据える。浦和が誇る次世代のディフェンスリーダー候補だ。
 
 
■飛び級選出で出場したU-20W杯から一層の成長を見せる
MF:林穂之香(はやし・ほのか)/セレッソ大阪堺レディース
 
 いち早くスペースを見つける目とオフ・ザ・ボールの動きに非凡な才能を感じさせるボランチ。常に平常心で状況判断に優れ、どんな場面でも冷静にプレーできるのは、「止める・蹴る」といった基礎的なプレーを高いレベルでこなせるからこそ。
 
 池田太監督が考える、攻守の切り替えが早いサッカーを実行する上では欠かせない選手のひとりだ。昨年のU-20女子ワールドカップでは、高倉麻子監督率いるヤングなでしこに飛び級選出されたが、今大会はそこから一層成長した姿を見せた。
 
■凸凹ピッチでも芸術的トラップ、ドリブルを披露
MF:宮澤ひなた(みやざわ・ひなた)/星槎国際高湘南
 
 狭いスペースでも相手を惑わせるドリブルテクニックと、局面を打開するワンタッチパスでゴールを演出するチャンスメーカー。今大会では試合を重ねるごとにピッチが凸凹になっていったが、宮澤の柔らかいボールタッチによる芸術的なトラップやドリブルは、大会終盤でも問題なく発揮された。
 
 サイドハーフのポジションながら今大会は計3得点を決め、優勝の原動力に。今夏のインターハイでは、新興勢力の星槎国際高湘南を初のベスト4に導いた逸材だ。
 
 
■U-17W杯MVPも北朝鮮に阻まれ続けた悔しさは忘れず
MF:長野風花(ながの・ふうか)/浦和レッズレディース
 
 昨年はU-17女子ワールドカップのMVPやAFC年間最優秀女子ユース選手賞を獲得するなど、華々しい経歴を持つが、一方で北朝鮮に敗れ続ける悔しい思いをしてきたのも『ながふう』こと、長野風花だ。今大会は全試合に先発し、相手のパスコースを消すなど、地味ながら堅実なプレーは試合終盤になっても質が落ちず、チームを大いに助けた。
 
 優勝決定後は大泣きし「過去の北朝鮮戦の悔しさは一日も忘れたことはなかった。U-20女子ワールドカップだけでなく、その先に向けてもっと成長しないと」と、高い向上心を持つ。
 
 
■決勝ではプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出
FW:植木理子(うえき・りこ)/日テレ・メニーナ(※下部組織所属選手として、日テレ・ベレーザにも登録)
 
 今季はプレナスなでしこリーグ1部で優勝した日テレの全試合に出場。瞬時の反転と、相手ディフェンスライン裏に抜け出すスピードが魅力のストライカー。今大会は計3得点だが、オーストラリア戦では日本の5得点中4得点に絡むなど、相手を混乱に導く前線での守備が光った。
 
 今大会のメディアガイドでは、日本の注目選手として植木が取り上げられており、優勝決定弾を決めた決勝戦ではプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選出。エースとしての役割を果たした。
 
取材・文:馬見新拓郎(フリーライター)

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