身体を後方に反らしながらヘッド。ふわりとしたボールはネットに吸い込まれた。写真:田中研治

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[J1リーグ31節]柏2-2川崎/10月29日/柏
 
 1-2で迎えた90分、チームを敗戦から救ったのはエースの小林悠だった。
 
 降りしきる雨の影響でピッチにはいくつもの水たまりができ、パスはまともにつながらない状況だった。それでも小林は千載一遇のチャンスを待っていた。
 
「浮いているボールならピッチは関係なかったのでそこは狙っていた」
 
 左サイドで中村憲剛からのパスを受けた車屋紳太郎がワンステップでクロスを入れると、一瞬、ニアに走ろうとした小林はその場に止まる。そして身体を後ろに反らしながら打点の高いヘッドでボールを捉えた。
 
「後ろに戻りながらだったので、難しい体勢になりました。ただ、あそこにしかヘディングできなかったと思います」
 
 小林が放ったふわりとしたシュートは、必死にセーブを試みた柏GKの中村航輔をあざ笑うかのようにネットに収まった。これで4試合連続ゴール。得点ランキングも19ゴールで2位の杉本健勇に並び、1位の興梠慎三にも1ゴール差に迫った。
 
 ただし、この日は猛追する首位の鹿島が勝利したため、勝点差は4に広がった。小林も自身のゴールより勝ち切れなかったことを悔やむ。
 
「ピッチコンディションが悪いなかで割り切ったサッカーをして、なんとか勝点3を奪いたかったですが、結果的に引き分け。非常に残念です」
 
 リーグ戦は残り3試合。逆転優勝の可能性は低くなった。それでも苦しい時に結果を残してくれるエースが健在なのは頼もしい限りだ。11月4日のルヴァンカップ決勝を含めて、小林への期待は高まる。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)