日本唯一の「ホテルに建つ公式灯台」について、神戸メリケンパークオリエンタルホテルを取材した。

11月1日に一般公開

兵庫県の神戸メリケンパークオリエンタルホテルは11月1日(灯台記念日)に、ホテルの最上階のバルコニーに建つ「灯台」を特別に一般公開する。

日本で唯一、海上保安庁から正式に認可を受けたホテルに建つ灯台で、今も現役の灯台として神戸港を行き交う船の安全を見守り続けている。

提供:神戸メリケンパークオリエンタルホテル

公開は11月1日(水曜日)の15時〜17時まで。予約不要で誰でも見学が可能だ。

「港町のシンボルに」と設置

ホテルの広報担当者によると、同灯台は1870年に旧居留地で開業した「オリエンタルホテル」が1964年に京町25番地に移転した際に、船会社出身だった当時の社長が「港町のシンボルになるものを…」という想いから、屋上に設置したという。

--海上保安庁の認可を受けるのは、大変ではなかったですか?

当時のことですので、認可を受けるのにどのような苦労があったかの詳細は分かりかねますが、2階の旅客ターミナルに入出港するフェリーを運航していた「関西汽船」が灯台の必要性を申請、ホテルが管理を受諾するという形で、海上保安庁の認可を得るという流れだったようです。

提供:神戸メリケンパークオリエンタルホテル

震災でホテルが被災、灯台も休止

しかし、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災で同ホテルは被災し閉鎖。窓ガラスの割れや壁面の亀裂、内部の被害等を受け、同ホテルは1995年の冬に全面的に取り壊されることになった。

--灯台も被害を?

震災から灯台は休止していましたが、「港町のシンボルとして神戸の港を照らしてきた灯台を復活させたい」という想いのもと、姉妹ホテルのような位置づけで建築中だった“神戸メリケンパークオリエンタルホテル”が灯台を継承することになりました。

移設にあたって、1872年に和田岬に建てられ、現在は役目を終えて須磨海岸に保存されている和田岬灯台(現存する日本最古の鉄造灯台)の形を模した六角形の白い灯台へと生まれ変わりました。

そうして、1995年7月7日に実施されたホテルのオープニングレセプションの日に、再び灯台は点灯を開始。その日から1日も休むことなく、神戸港を行き交う船の安全を22年間見守り続けているという。

提供:神戸メリケンパークオリエンタルホテル

一般公開は、基本的に「年2回」だけ

--公式灯台として、普段どのような働きを?

海上保安庁から認可を受けた「航路標識」として、海図にも記載されている正式な灯台で、緑と赤色の光で神戸港に入港する船に向けて航路を示しています。

また、灯台の点灯する時間帯は、時間で決まっているのではなく、日照弁で照度を感知して暗くなれば自動的に点灯するようになっているので、日中でも、天気が悪くなるなど暗くなれば船の安全を守るための働きをしています。

提供:神戸メリケンパークオリエンタルホテル

--普段は、公開されていないのですか?

一般公開をしているのは11/1の「灯台記念日」と、灯台を当ホテルへと受け継ぐきっかけとなった1/17の阪神・淡路大震災の日の年2回ですが、お客様より灯台が見たいというご要望があった場合には、レストランの状況にもよりますが、クローズタイムを利用し見学をしていただいております。

提供:神戸メリケンパークオリエンタルホテル

神戸を見守り続ける大切な存在

--ホテルや神戸の人々にとって、この「灯台」はどのような存在ですか?

歴史ある「オリエンタルホテル」より継承した灯台は、1995年7月7日の神戸メリケンパークオリエンタルホテルのオープニングセレモニーの際、神戸の街の復興への願いと、震災犠牲者への鎮魂の想いをこめた777発の花火と共に点灯を再開しました。

“日本で唯一”であり、当時から“港町である神戸らしい象徴”として神戸港を照らしていますが、今もなお、神戸の人々や神戸港に入港する船を見守り続ける大切な存在だと思っています。

提供:神戸メリケンパークオリエンタルホテル