シャーレを掲げるチョウ・キジェ監督

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[10.29 J2第39節 湘南1-1岡山 BMWス]

 サポーターの目の前で歓喜の瞬間を迎えた。28日にJ1昇格が決まった湘南ベルマーレは岡山と1-1で引き分け、ホームBMWスタジアムでJ2優勝を決めた。14年に続く2度目の戴冠だが、ホームで優勝を決めたのはこれが初。チョウ・キジェ監督はセレモニーでシャーレを掲げると、ビールかけでは選手から集中的に美酒を浴びせられ、表情を緩めた。

 

 試合は台風22号の影響を受け、強い雨脚の中でキックオフ。ピッチ上には水溜まりが見られ、ボールがうまくつながらないシーンも目立った。引き分け以上で今節での優勝が決定。「今日に関しては勝ち点1が非常に大事だった。選手たちは成長したなと思っています」。古巣戦となったMF大竹洋平が後半42分に“恩返し弾”。1-1に追いつかれ、苦しい時間帯が続いたが、相手の猛攻を粘り強く跳ね返し、勝ち点1を死守した選手たちを称えた。

「0からのスタート」だった。監督会見に姿を見せた優勝監督は今季を振り返り、「自分が無力だな、できないなと開き直るのは力がいることだなと思った」と険しい表情。「すごくいいシーズンだなとは思ってないし、全然ダメだったとも、その真ん中だったとも思っていない」。言葉を選びながら、苦心したシーズンをそう表現した。

 J2降格となったシーズン開幕前、チームを支えてきたMF菊池大介、MF三竿雄斗ら主力が相次いで流出。「開幕戦から苦しかったというか、できあがりつつあったものが、頭と足だけ切られて、真ん中だけなくなっちゃった」。開幕後も主将FW高山薫、FW菊地俊介ら中心選手が長期離脱を強いられた。長期的なビジョンを掲げたところでその通りには運ばない。より短期的に、ただ目の前の試合に集中した。1点差の接戦を制し、勝ち点を積み上げた結果、道を振り返ると一度も連敗のないシーズンになった。

「明日、明後日、一週間後をどうするか。それを積み上げていけば、“とられたお腹”も自然と足と頭がくっついていくというか…。過去5シーズンで一番、そういう感覚を持てた。難しいシーズンだったが、少しは自分も選手と一緒に勝ちながら成長していくというスタンスの中に入れたかなと思う」

 J1定着へ、来季は真価が問われるシーズンになる。指揮官は「フルパワーを使ってやってきた。来年のことを今考えることは、正直できない」と苦笑した上で、「だけど僕は前向きに生きていきたいし、今所属している選手が次のステージで活躍してほしいと強く思ってる。それが真実の全て」と現在の素直な心境を言葉にした。

(取材・文 佐藤亜希子)
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