Doctors Me(ドクターズミー)- 母乳はどうやって作られる?出始める時期・栄養成分などの疑問を解決

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妊娠をしたらいつ頃から母乳が出るようになるのでしょうか?また、出産後に母乳はいつまで出続けるのでしょうか?

赤ちゃんが生まれて初めて口にするのが母乳ですから、どのような栄養素が含まれ味はあるのかなど、ママとしては気になることがたくさんあると思います。

今回は、母乳の気になる疑問をまとめて医師に質問して答えていただきました。

母乳が出る仕組み 



乳腺という腺(液体を作る組織)が血液から母乳を作り出します。乳腺は第二次性徴とともに発達し、妊娠中はプロゲステロンという女性ホルモンの一種が増えることでさらに細胞増殖し大きくなります。

妊娠中



乳腺は乳頭を中心に十数個放射状に並んでいます。乳腺細胞は妊娠後期から乳汁(母乳)を分泌し始めます。血液の一部を腺細胞に取り込み、脂肪やタンパク質などを加えることで母乳になります。

母乳は血液からできますが、血液中の赤血球は腺細胞に取り込まれないので母乳は赤くないのです。

出産後



出産で胎盤が体外に出ることで、胎盤から放出されていたプロゲステロンが急激に減少し、それによって母乳を作れという指令を出すホルモンであるプロラクチンが増え、脳から乳腺に働きかけることで母乳が作られます。

乳房に溜まった母乳を出す(射乳)にはオキシトシンという、これも脳から出るホルモンが働きます。

母乳の主な成分 

 

水分以外に、以下の成分が母乳には含まれております。

脂肪



エネルギー源となります。赤ちゃんに必要な不飽和脂肪酸が牛乳より多く含まれています。コレステロールも多く含まれています。

糖分



乳糖(ラクトース)やオリゴ糖が含まれ、エネルギー源となり、腸内細菌を増やす役割をしています。

タンパク質



細菌やウイルスに結合して病原性をなくす役割をする抗体や殺菌物質が含まれています。カゼイン、グロブリン、アルブミン、リゾチーム、ラクトフェリンなどです。

ビタミン、ミネラル、電解質



赤ちゃんの腎臓に負担をかけない程度のカリウム、カルシウム、ナトリウム、鉄などが含まれています。牛乳はこれらの成分が多すぎるため、人間の赤ちゃんがそのまま飲むには向かないとされています。

母乳はどんな味がするの? 

 

ほんのり甘く、牛乳をぬるくして薄めたような感じです。

母乳が出始める時期 

 

妊娠後期から母乳はわずかに作られており、乳房の中に溜まっています。乳頭をつまむとにじみ出てきます。本格的に作られだすのは、出産で胎盤がはがれてからです。

また、帝王切開などで赤ちゃんに初めて母乳を吸わせるのが遅くなると、母乳分泌開始が遅くなることもあります。

初乳について



最初に出る母乳を初乳と呼び、抗体など免疫物質が含まれており、色は黄色っぽいです。初乳が出るのは数日から10日程度と言われています。

母乳が出なくなる時期 

 

様々な体験談があり、産後1カ月や3カ月でどうしても出なくなったという方もおられれば、半年を過ぎて母乳だけでは満足してくれなくなり、ミルクを足したり離乳食を進めているうちにいつの間にか出なくなったという方もおられます。

母乳が長期間出続けるケースも

 

断乳も卒乳もせずに飲ませ続け、6歳になっても母乳を飲ませているという例もあるようです。

また、乳がん検診をしていると、授乳は10年以上前に終わったのに、今でも乳頭をつまむと母乳が出てくるという方もおられます。

中には、プロラクチンに似た作用の薬を飲んだことによる副作用や、脳腫瘍ができて腫瘍からプロラクチンが放出されるために母乳が出る場合もありますので、「一旦母乳が出なくなったのに、何年も経ってから出るようになった」という場合は脳外科などで検査が必要です。

乳腺炎予防の考え方の変化

 

和食メインで乳製品や油モノを避けないと母乳の質が落ち、乳腺炎になりやすくなり、赤ちゃんの情緒が安定しなかったり湿疹が出やすくなるとして、食事制限が授乳婦の常識と考えられていたこともありました。

最近はマッサージや厳しい食事制限よりも頻回に授乳し、深くくわえさせるなどの授乳姿勢に気を付けるほうが、乳腺炎予防になるという意見が主になってきています。

最後に医師から一言

 

昭和の産院には「乳揉みさん」などと呼ばれる人が産後の女性の元を訪れ、母乳が出るようにする乳房マッサージをする風景がよく見られました。

母乳関係のことはいろいろな時代によっても、流儀・考え方があり変化しているようですね。

(監修:Doctors Me 医師)