シリア北部ラッカで、イスラム国(IS)からの解放後初めての結婚式を挙げた新郎(中央右)と新婦(中央、2017年10月27日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】シリア北部ラッカ(Raqa)西郊のジャズラ(Jazra)の民家で27日、結婚式が行われ、男女が一緒に祝福のダンスを踊った。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の支配下にあったつい数週間前までは、想像もできなかったことだ。

 住民らがAFPに語ったところによると、米軍が支援するクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」が17日にラッカを完全に制圧して以来、市内で結婚式が執り行われるのは初めてだという。ISの残忍な支配が続いた3年間には、こうした光景はあり得なかった。

 ラッカでは4か月以上に及んだ戦闘による市街地の破壊が深刻だ。ジャズラも破壊され、電気の供給は発電機に頼るしかないものの、この日は発電機の音に音楽が混じり合った。ジャズラはラッカ市内でSDFが早い時期にISから奪還した地区の一つだ。

 戦闘中にラッカを逃れた住民の大半とは違い、新郎の家族は住み慣れた場所に戻って結婚式を執り行うことができた。新郎の父親は「イスラム過激派が去ってから初めての結婚式で、とてもうれしい」と話しながら出席者を迎えた。

 この50代の父親はAFPに対し、「ISがやって来る前には、ダブケ(民族舞踊)や歌、地域のしきたりにのっとった婚礼が行われていたが、ISがすべてを禁止し、祝い事は一切なくなった」「今日は喜びが戻ってきた」と語り、幸せそうに表情を輝かせた。

 丈の長い服に真っ白なヘッドスカーフ姿の高齢の男性は、中東各地で歌われている詩のような「マワール」を朗々と歌い上げた。

 IS支配下で女性たちは、手袋や顔を隠すベールも含めて、全身を覆う黒ずくめの服を着用することを強いられたが、この日、結婚式に出席した女性たちは柄のあるワンピース型の衣服を身にまとい、鮮やかな色の口紅で化粧をしていた。
【翻訳編集】AFPBB News